派遣社員は正社員よりも柔軟な働き方ができる雇用形態です。そのため、複数の派遣会社に登録をして、ダブルワークをしている派遣社員も決して少なくありません。ダブルワークをすることで、収入を倍増することができるとともに、さまざまな現場を経験することも可能となります。
しかし、就業規則や年末調整など、ダブルワークをするうえでは知っておくべき注意点も多くあります。無理なくダブルワークをするためにも、こうした注意点をしっかりと確認しておきたいところです。
そもそも派遣社員がダブルワークをして良いの?
ダブルワークはアルバイトをしているフリーターであれば自由にできることが多いですが、派遣社員がダブルワークをする場合は少し注意をしなければならないことがあります。
基本的に、派遣社員であっても、契約上の労働時間以外は自由に過ごして良いことになっています。したがって、その時間を利用して別の仕事をしていても問題はありません。しかしながら、派遣会社によっては、就業規則で他社での就業に関する規定を設けていることがあります。他社で就業することを禁止している例は少ないものの、ダブルワークをする際には会社に許可を取らなければならない場合も少なくありません。そのため、事前にしっかりと就業規則を確認しておきましょう。
体力的な問題を考慮する
ダブルワークをすれば、複数の現場をかけもちして働くことになるため、体力的に疲労を蓄積してしまうことがあります。心身の疲労がたまると、遅刻や欠勤が多くなるなど、十分な業務の遂行ができなくなってしまうことも考えられます。もしそうなれば、派遣先にも派遣元にも迷惑をかけてしまうことになるでしょう。
つまり、ダブルワークをする際は、高い責任を持って双方の仕事に従事する必要があるということです。それは体調面の問題だけでなく、たとえば同業種でのダブルワークを避ける、業務上知り得た情報を決して漏らさないなど、倫理的な責任感も合わせて要求されます。ダブルワークをする際は、体調管理をしっかりとして、倫理的な責任感を持って仕事に取り組むことを心がけましょう。
年末調整に注意
ダブルワークをすると、当然のごとく複数の事業所に従事することになります。しかしながら、ダブルワーカーの年末調整は、所属している複数の事業所のうち、どれかひとつの事業所でしか受けることができません。
もし複数の事業所で年末調整を受けることになると、一方の事業所はその人が別の事業所で稼いだ所得を知りませんから、その事業所はあくまで自分の会社で働いた収入のみをベースにして年末調整をすることになります。
このとき、扶養控除などの計算が複数で行われてしまうことになり、結果として所得税の計算が狂ってしまうなど、税金を正しく納めることができなくなってしまいます。したがって、ダブルワークをしているときは、どこかひとつの事業所にすべての所得を申告し、そこで年末調整をしてもらわなければならないのです。
ダブルワーカーの雇用保険について
ダブルワークをしていても、雇用保険を複数の事業所で加入できるわけではありません。雇用保険は一人につき一つの加入が絶対的な条件になっているため、複数の事業所に属していたとしてもそれぞれの事業所で雇用保険に加入できるわけではないのです。
したがって、所属している事業所のいずれかで雇用保険に加入することになるでしょう。しかしながら、一つの雇用保険に加入する場合であっても、その際は規定の条件を満たさなければなりません。
すなわち、1週間の所定労働時間が20時間を超えていなければならないとか、同じ事業所で31日以上の継続雇用が見込めることなど、こうした条件を満たしていないとそもそも雇用保険に加入することはできないようになっているのです。
ダブルワークをすると、一つの事業所で働く時間については、やはりどうしても短くなってしまいがちです。その結果、ダブルワークをしていなければ加入できた雇用保険に入れないというケースも出てきてしまいます。ダブルワークをする際は、雇用保険との兼ね合いも考えながらやってみると良いでしょう。
