小売店で並べる商品や通信販売で注文した品物の運搬などを行うトラックドライバーは、物流、そして現代社会においてなくてはならない職業です。このようなトラックドライバーの給与は、一般的なサラリーマンの平均よりも高めだとされています。
この記事では、トラックドライバーの仕事を検討している人に向けて、給与の決まり方や手当の種類、給料を上げる方法などを紹介します。
1.トラックドライバーの給与はこうして決まる
トラックドライバーの多くが、歩合給制とみなし残業代制の2つを合わせた給与体系をとっています。
歩合給制とは、固定給制と対をなす考え方で、個人の成績や売り上げに応じて給与が増減する給与体系のことです。
とはいえ、給与のすべてが出来高で決まる完全歩合給制は、最低賃金を下回る可能性もあるため原則違法とされています。
トラックドライバーの場合、月20万円程度の固定給に加えて、自身の売り上げから諸経費を引いたうちの3~4割程度が歩合給として支払われることが一般的です。
諸経費にはガソリン代やトラックの維持費、その他会社の経費などが該当します。
売り上げは走行距離が延びるほど高くなる傾向にあるため、給与を増やしたい場合は長距離ドライバーとなるのがおすすめです。
みなし残業代制については、残業手当の項目で併せて解説します。
関連記事:「固定給?歩合給?ドライバーに人気の給料の制度はどっち?」
2.夜勤ドライバー必見!深夜手当とは?
深夜手当(深夜労働手当)とは、割増賃金の一種です。
午後10時から午前5時までの時間に労働が発生した場合、通常より25%増しの賃金を支払うことが労働基準法第37条第4項によって定められています。
これはトラックドライバーに限らず、すべての労働者が対象です。
トラックドライバーは、大きく日勤と夜勤の2つに分かれます。
夜勤を選ぶトラックドライバーに発生するのが深夜手当です。
夜勤トラックドライバーは、深夜手当があるので稼ぎやすくなっています。
深夜帯は交通量が少なく渋滞を避けやすい傾向にあるほか、平日昼間の時間を自由に過ごせることも特徴です。
病院などによく行く人は都合がつきやすいほか、子どもの帰宅時間に家にいられたり学校行事に参加しやすくなったりと、家族との時間を大事にすることもできます。
一方、日勤トラックドライバーにも、生活リズムを変えずに他業種からスムーズに転職できるなど多くのメリットがあります。
関連記事:「トラックドライバーで働きたい!昼勤と夜勤それぞれのメリットって?」
3.気になる残業!残業手当は出る?
トラックドライバーの残業手当の体系に多いみなし残業代制とは、一定額の残業代を毎月定額で支払う方法です。
毎月、一定時間の残業がある前提とした制度であるため、「みなす」という言葉を使用しています。
「固定残業代」として支払われている残業代は、その典型例です。
みなし残業代は、何時間の残業があるため何円を支払うという条件が前もって雇用契約などで定められていなければなりません。
実際の残業がその時間内に収まっていれば問題ありませんが、超えていれば別途残業代を請求できます。
また、歩合給制の場合は歩合給と残業代が混同されているケースもありますが、歩合給制であっても残業代は別途発生します。
給料体系に関わらず、労働時間が1日8時間または週40時間を超えると、その時間分だけ残業代が発生します。
つまり、トラックドライバーも実際の残業時間に応じた残業手当を請求できるということです。
なお、残業手当も深夜手当と同じく、通常より25%増しの賃金を支払うことが定められています。
関連記事:「トラックドライバーの残業代ってどうなっているの?」
関連記事:「トラックドライバーの勤務時間はどのくらい?休憩時間や休日などについての基準」
4.意外と侮れない無事故手当とは?
月間を通して事故を起こさなかったトラックドライバーには、1~3万円程度の無事故手当を支給する会社も多いです。
大体の運送会社は、運転による事故か落下などによる荷物の破損事故のいずれかに対する無事故手当を支給しています。
しかしなかには、事故の補てんをトラックドライバーにさせる目的で車両保険の免責額に達するまで、事故以降の数カ月から数年にわたり無事故手当を支給しないケースもあるのも事実です。
無事故手当自体は支給が必須となるものではありませんが、故意ではない業務上の過失による損害を労働者に全額負担させることは法律上認められていません。
つまり、先月事故を起こしていても当月無事故であれば、原則として無事故手当支給の対象となります。
別途規定が詳細に定められていれば、その内容によっても支給条件が異なるため、詳しくはそれぞれの会社の規定を参照してください。
関連記事:「トラックドライバーなら知っておきたい!トラックの事故率」
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5.休出手当、早出手当、皆勤手当など手当はたくさん
特に長距離の場合は長時間拘束される可能性があるため、トラックドライバーにおける出勤および休息の概念は少し独特なものとなっています。
拘束時間とは休憩時間も含めた始業から終業までの時間で、休憩時間は勤務時間中に取るものです。
対して休息期間とは、労働から解放されて次の労働に入るまでの自由な時間のことで、1日の休息期間は8時間以上と規定されています。
さらに、休日は休息期間+24時間の32時間と定められています。
トラックドライバーにも休日出勤の概念はありますが、労働の負担を考慮し、2週間に1日までしか認められていません。
休日出勤をした場合は休出手当(休日出勤手当)が、始業より早い出勤が求められる早出が必要となった場合は早出手当が支給されます。
早出手当は通常の賃金の25%増し、休出手当は35%増しです。
また、半数程度の運送会社は、皆勤手当を用意しています。
皆勤手当がある場合は、無事故手当と同額程度に設定されていることが多いでしょう。
そのほか、ここまで紹介したもの以外の手当が出る会社もあります。
自分の車を持ち込んで仕事をする人を対象とした愛車手当は、実際に支給されている人は少ないながらも注目されやすい手当です。
対象者が少ない背景として、そもそも会社の車を使う人が多いことや、手当ではなく給料設定自体が区別されているパターンがあることなどが挙げられます。
ほかにも、トラックで1泊する際に支給される宿泊手当や、アイドリングストップや速度超過が少ない人に支給される低燃費手当などがある場合もあります。
6.トラックドライバーとして給料を上げる方法
トラックドライバーの月給の平均は、約32万円です。
また、賞与を除けば会社の規模はさほど給与に関係しないため、トラックドライバーとして給料を上げるためには自身のスキルを上げることが近道となります。
トラックドライバーとしてのスキルには、運転技術や納品時刻に間に合わせる時間管理能力に加えて、運転できる車両の多さも挙げられます。
トラックの種類別に平均年収を見た場合、普通免許で運転できる2トン車などの普通~小型トラックは300~400万円です。
大型免許が必要な大型トラックになると450~550万円、さらにけん引免許が必要なトレーラーは500~600万円と、多くの免許が必要な車両ほど高収入になっています。
また、クレーンに貨物を掛け外しする際に必要となる玉掛け作業者の資格など、トラックドライバーとなる際に重宝する資格はトラック本体の免許に限りません。
特に、トラックから貨物を積み下ろす際に必要なフォークリフトの運転免許は、大型トラック運転手ならほぼ確実に求められます。
自分に合った車両を見つけるという意味でも、多くの免許を持っておくことが望ましいでしょう。
また、給与体系に歩合制を採用している会社であれば、長距離ドライバーとなることで距離を稼げます。
現に、長距離ドライバーの平均年収は450~750万円と、トラックドライバーの中でも高収入が見込める分野です。
関連記事:「トラックドライバーの給料はどのくらい?運転手の種類と平均年収」
関連記事:「トラック・運送業界の運転手でキャリアアップしたい!ドライバーにおすすめの資格とは」
高需要なトラックドライバーになろう!
トラックドライバーの給与はサラリーマンと比較しても決して低い方ではなく、特に若いうちは高水準といえるでしょう。
各種手当も多く、さまざまな運転免許を取得すればさらにドライバーとしての幅は広がります。
しかし、その就業者数は慢性的に不足しており、特に20代~30代の若年層が少ないことが特徴です。
そのため転職者は広く歓迎されています。
高収入を望んでいる人は、ぜひトラックドライバーを検討してみてください。
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