警備員はその業務の性質上、通行人や施設利用者に誘導や注意喚起などを行わなければならないことがあります。
しかし、民間企業のいち従業員である警備員には法律上の特別な権限は与えられておらず、誘導や注意喚起などを行った相手とトラブルになってしまうというケースもありえるでしょう。
ですから、警備員にはトラブルを未然に回避する能力が求められます。
そこでここでは、トラブルにつながるミスを起こさないために心がけておきたいポイントについて詳しく解説していきます。
警備員のトラブル事例
警備員が業務中のトラブルを回避するには、何が原因でトラブルに発展してしまうのかというプロセスを理解することが大切です。
相手側に非があることもありますが、実は多くの場合、警備員側もミスを犯してしまっています。
トラブル事例その1は「施設警備業務」です。
万引き被害が多いという商業施設の警備に当たっていたAさんは、怪しい動きをしている人間はいないか、意気込んで目を光らせていました。
そんなとき、ある女性客から「にらみつけられて怖い思いをした」というクレームを受けてしまいました。
トラブル事例その2は「雑踏警備業務」です。
道路工事の警備に当たっていたBさんは、車両誘導を担当していました。
しかし、1台の車両の誘導中、不注意で他の車両にひかれてしまいました。
事例1は「お客様を威圧するような態度を取ってしまった」ことがミスのポイントで、事例2は「周囲を見回す注意力を欠いていた」ことがミスのポイントだといえます。
トラブルを避けるには、こうしたミスをしないことが大切になります。
警備員はサービス業だということを心得ておこう!
雑誌やインターネットなどに掲載されている警備員の求人情報には、仕事内容について警備業と表示されていることがあります。
ただ、大きく分類すると警備員はサービス業に属し、安心や安全といったサービスを提供することが仕事だと言えます。
警備員として業務上のミスを減らすには、この「自分の仕事はサービス業」という意識を持つことが重要になります。
自分が警備を担当している現場の通行人や施設の利用者はすべて自分のお客様だという心構えができていれば、相手に威圧感や不安感を与えてしまうミスは減り、事例1のようなトラブルを避けることができるでしょう。
もちろん心構えだけでなく、安心や安全を提供するための円滑なコミュニケーション能力も警備員には必要です。

心身のコンディションを整えよう!
肉体的な不調や精神的ないらだちは、知らず知らずのうちに表情や態度に出てしまうことがあります。
それらが現場の通行人や施設利用者からの不興を買い、トラブルにつながってしまうという可能性も考慮しなければいけません。
ですから、トラブルを未然に回避するには心身のコンディションを整え、健康な状態で警備に臨むことが大事になります。
日頃から栄養バランスの取れた食事や質の高い睡眠などを意識し、体力を維持するためのトレーニングを行ったり疲労の蓄積や病気を予防するための知識を勉強したりするなどして、仕事に備えましょう。
また、ストレス発散のために趣味を充実させたり、休日に友人と遊びに出かけたりすることなども大切です。
心身のコンディションが整っていれば高い集中力をキープしやすいので、事例2のような不注意によるミスを防ぐこともできるでしょう。
KYTを積み重ねることが大事!
KYTとは危険予知訓練のことで、警備員としての資質を養うための重要なトレーニングです。
KYTは「現場の状況の理解・問題点の議論・対策案の議論・安全目標の設定」という4つの段階で構成されています。
「現場の状況の理解」では、警備を担当する現場はどんな状態が正常か、そこではどういった危険が予測されるか、正常時と異常時で人はどのような行動を取るかなどといった情報を把握します。
「問題点の議論」では、現場で起こりうる問題点やトラブルを予測・指摘し、経験談などを元に意見交換を行います。
「対策案の議論」では、意見を集約して問題点やトラブルへの対策案をまとめます。
「安全目標の設定」では、KYTの流れや結果を具体的に文書にまとめ、情報共有を実施します。
このような流れで行われるKYTを積み重ねることで、現場における危険性や問題点への理解を高め、トラブルにつながるミスを減らすことが可能です。
警備員は他人の行動を制限したり監視したりするのが仕事ですから、思わぬことでトラブルを招いてしまいます。
そのため、警備員はサービス業だという自覚を持ち、コンディションを整えるための自己管理を徹底し、KYTを積み重ねて現場の情報を充分に理解して、なるべくミスをしないように努めましょう。
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