工場で働く際、専門的な知識や経験があればなにかと便利です。

ただ、自分がどんな能力を持っているかを具体的に証明するためには、資格の有無が重要となります。

とはいえ、工場の仕事で役立つ資格は数多くありますから、なにから取得すればいいかわからないという人もいるでしょう。

そうした場合、まずは自分が就きたい職種に関連した資格や、汎用性の高い資格の取得を目指すのがおすすめです。

そこでここでは工場のみならず、いろいろな分野で需要のある「溶接管理技術者」について解説していきます。

溶接管理技術者とは?

溶接管理技術者とは、一般社団法人日本溶接協会が定めた規格であるWES8103「溶接管理技術者認証基準」に則って発行される資格のことです。

また、当該資格の取得者を指して溶接管理技術者と呼ぶこともあります。

溶接に関連した技術と知識、さらに施工と管理についての専門的な職務能力があることの認証を目的として、資格試験や資格発行が実施されます。

溶接管理技術者の資格を取得していれば、溶接施工についての作業や工程を、総合的に計画・管理することが可能です。

資格は特別級・1級・2級に分類されており、溶接作業を行う際は職種を問わず、あらゆる分野の関係者各位に取得が推奨されているのが特徴です。

工場認定あるいは官公庁の工事発注を行うときに、資格取得者の常駐が必須条件となる場合があります。

仕事内容は?

溶接管理技術者は、溶接に関する専門的な技術と知識を活かし、溶接業務の施工・管理を行います。

溶接業務を実施する対象は、機械部品や重機械や建築鉄骨、橋梁や海洋構造物などさまざまです。

溶接管理技術者の能力が求められる現場も、工場や化学プラント、発電設備のようなエネルギー施設など、多岐にわたります。

ただし、施工・管理できる業務の範囲は、資格の等級によって異なります。

2級の資格取得者は、基礎的な溶接作業とその関連業務についての監督と指導、現場の管理、施工記録書の作成などが可能です。

1級の資格取得者は、2級の業務に加え、特定技術に基づく施工や管理といった専門職務を担当できます。

特別級の資格取得者は、2級と1級の業務に加え、溶接全般における監督指導、計画立案、品質管理などといった業務を、包括的及び統括的に担当可能となります。

資格取得までの道のり

溶接管理技術者の資格を取得するには、一般社団法人日本溶接協会が運営する資格試験に合格しなければいけません。

受験条件には制限があり、等級に応じた学歴や職務経験や資格が求められます。

例えば、工業高等学校卒業者が2級資格を受験する場合、2年間の職務経験が必要です。

試験内容についてですが、2級と1級では、筆記試験と口述試験が行われます。

筆記試験の合格基準は、2級で全得点の60%以上獲得、1級で全得点の70%以上獲得となっています。

口述試験では、等級に応じた知識と職務能力を充分に有していることを証明しなければいけません。

一方で特別級の試験は、筆記試験1と筆記試験2、及び口述試験で構成されています。

合格基準は、筆記試験1が全得点のうち70%以上の獲得、筆記試験2が全得点のうち70%以上の獲得、かつ各問題の得点が40%以上の場合です。

口述試験では、等級に応じた充分な知識と職務能力、責務能力が問われます。

受講料は2級と1級の筆記試験が1万2960円、口述試験が2万1600円となっています。

特別級の受講料は、筆記試験1と筆記試験2を両方受ける場合が2万5920円、筆記試験2のみの受験で1万2960円です。

口述試験は、特別級としての試験で2万7000円、1級としての試験で2万1600円となります。

加えて、合格者は登録料として1万9440円が必要です。

取得難易度と将来性は?

溶接管理技術者の試験合格率は、2級試験がおよそ50%、1級試験がおよそ30%となっています。

2級の難易度は比較的易しく、1級は2級よりもやや難しいようです。

しかし、過去問題を重点的に勉強するなどして計画的に準備すれば、充分に合格を狙える範囲だといえます。

また、一般社団法人日本溶接協会が実施している研修会があるので、そちらを受講することで、実用的な知識を学習できるでしょう。

受講料は2級対象の研修会で4万1040円、1級と特別級対象の研修会で5万1840円となっています。

そんな溶接管理技術者は建設業や製造業などといった多くの分野でニーズがあり、職場によっては有資格者の在籍が義務付けられていることもあります。

そのニーズは少子高齢化に伴う熟練技術者の不足によって、今後も高まっていくことが予想されます。

昇給や昇格にも繋がる資格ですから、工場関連の仕事で役立つ資格を取りたいと考えている人は、溶接管理技術者の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

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