警備員の仕事のなかでも、神経を使うのが交通誘導です。
車の動きを見ながら適切に判断を下さなければならず、一瞬の判断ミスが大事故につながりかねないからです。
しかし、適切な指示を行うには誘導の正しい方法を覚えておく必要があります。
もし、自分が意図しなかった合図を出してしまえば、それは判断ミス以前の問題です。
どんなときでも、自分が出そうとした指示の内容と実際の動作は合致していなければなりません。
そこで、交通誘導にはどのような合図があるのか、その基本動作について説明していきます。
基本姿勢と停止の合図
まずは、交通誘導警備における資本姿勢からです。
両足のかかとを軽く接した状態で気をつけの態勢をとります。
背筋を伸ばし、旗を持った手は下に向けて自然に垂らしましょう。
この際、左右を見るときも体全体をひねってはいけません。
首だけを動かし、それ以外の部分は常に前を向いているようにします。
次に停止の合図ですが、対象の車を注視したまま赤旗を持った手を真上に上げます。
それから、その旗を30センチ幅で左右に振ってください。これが停止予告の合図になります。
もし旗が絡まってしまった場合は、手を一旦降ろしてからやり直すのが正解です。
その場で絡みを直そうと旗を振り回すと、意味不明な合図になって運転手を混乱させかねません。
車が停止した後は赤旗を肩の位置まで降ろして、腕を地面に対して平行に保ちましょう。
この姿勢は車が発進OKの状態になるまで続けます。
進行の合図
停止していた車に「進め」の合図を送るには、車に正対していた状態から進行方向と平行になるように体の向きを変えます。
それから、車が向かおうとしている方向の安全確認を行い、赤旗を下ろすと同時に停止している車に向けて白旗を上げます。
このとき、白旗を持った手は地面に対して平行になっているのがポイントです。
その位置から、白旗を反対側の下方45度まで移動させます。
ヒジや手首を曲げずに、大きな動作で旗を振るように心がけましょう。
小さな動作では運転手が判断できない恐れがあります。
一度下方45度の位置まで到達したら再び元の位置まで戻し、車が通過し終わるまでその動作をゆっくりと繰り返します。
そして、車が通過したのをしっかり確認してから基本姿勢に戻りましょう。

幅寄せと徐行の合図
幅寄せを指示する際は車に向かって正対し、例えば左に寄せてもらいたいのであれば左足を後ろに下げます。
そして、やや半身となった体勢で右手の白旗を右の側頭部斜めに上げ、そこから左の肩の高さまで弧を描くように振ります。
後は車の幅寄せが終わるまでその動作を繰り返すだけです。
また、徐行を求める場合は、車の進行方向に対して体が平行になるように立ちます。
それから、車を注視しながら白旗を手の甲が上になるように持ち、腕は肩の高さまで上げてまっすぐ伸ばします。
その際に、白旗は体に対して平行になるようにしましょう。
そして、手首のスナップを効かせて旗を上下に振ると、それが徐行の合図になります。
同時に、警笛を口にくわえ、スナップの動きに合わせて「ピッ、ピッ、ピッ」と約0.5秒間隔で吹きましょう。
後進の合図
交通誘導警備のなかでも、後進の合図の際には特に警備員の位置が重要になります。
基本的には車両の左後方に立ち、車に対して後ろに5~10メートル、左に2メートル程度の距離をキープしておきます。
場合によっては車の右側に立つこともありますが、いずれにしても運転手がバックミラーで確認できる位置を確保し、安全に十分配慮することが大切です。
立ち位置が決まれば、車を進行させたい方向に向かって体を平行に向けます。
そして、車に近いほうの手に白旗を持ち、もう片方に赤旗を持ってください。
最初に、赤旗を持った手を肩の高さまで上げ、運転手に注意を促します。
そのうえで安全が確認できたならば、白旗を進行の合図と同じように左右に振ります。
車の移動に合わせて一定距離を保ちながら、目的の位置まで誘導してください。
また、その際は警笛を口にくわえ、「ピピー、ピピー」と長音と短音を合わせた音を等間隔で出し、合図とします。
そして、停止位置に達する3秒前に「ピー」という長音で運転手に停止を促してください。
以上は、紅白の旗を使った交通誘導警備の方法ですが、ほかにも大旗や誘導灯を用いた方法もあります。
大旗は主に高速道路で用いられ、誘導灯は夜間など視界が悪い場合に使用されます。
いずれも基本はそれほど難しくはないので、しっかりと覚えて的確な誘導が行えるようにしましょう。
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