技術系資格の最高峰!技術士取得の意義や難易度とは

技術系資格の最高峰!技術士取得の意義や難易度とは

  • 投稿日:2016/10/12
  • 更新日:2023/02/16

目次

    こんにちは。工場・製造業求人サイト「ジョブコンプラス」の編集部です。

    技術士はモノづくりに携わる技術者にとって最高峰の資格です。

    合格への道はかなり厳しく、技術系の資格の最終ゴールとも言われています。

    しかし、世間での認知度は低いため、試験に合格するには何をすればいいのか?合格率はどの程度なのか?そもそも資格を取得すればどのようなメリットがあるのかなどについてはあまり知られていないのが現状です。

    そこで、技術士の資格とは一体どのようなもので資格取得には何が必要かなどについてまとめてみました。
      
      

    技術士とは

    技術士は1983年に制定された技術士法に基づく国家資格です。
      
    資格は建築部門、経営工学部門、生物工学部門など21部門があります。
      
    以下に技術士資格の21部門すべての一覧表を示すので、どんな部門があるのか確認してみるとよいでしょう。
      
      

    機械部門 船舶・海洋部門 航空・宇宙部門
    電気電子部門 化学部門 繊維部門
    金属部門 資源工学部門 建設部門
    上下水道部門 衛生工学部門 農業部門
    森林部門 水産部門 経営工学部門
    情報工学部門 応用理学部門 生物工学部門
    環境部門 原子力・放射線部門 総合技術監理部門

      
      
    技術士になるためには、技術的な専門知識や豊富な実務経験、高等の応用能力を有していなくてはなりません。
      
    また、高い技術的倫理を備え、継続的に資質向上に努める必要があります。
      
    その他、コミュニケーション能力やリーダーシップといった資質を備えていることも重要です。
      
    産業分野での不祥事が報道されることの多い現代社会では、倫理観の備わった技術士の必要性が高まっています。
      
    技術士と混同しやすい資格に技術補があります。
      
    技術士補とは、技術士試験の一次試験に合格する、もしくはJABEE(日本技術者教育認定機構)認定課程を修了することで名乗れる資格のことです。
      
    技術士補から技術士へとランクアップするためには、一定期間の実務経験を積んだうえで二次試験に合格しなければなりません
      
      

    技術士の受験資格

    技術士の試験は一次と二次に分かれており、一次試験に合格すると技術士補の肩書きが申請可能になり、同時に二次試験を受ける権利が得られます。

    ちなみに、一次試験には受験資格が存在しないので誰も受験可能です。

    一方、二次試験の受験資格に関しては一次試験に合格するかJABEE認定課程を修了するのが前提です。

    その上で、技術士補として4年以上技術士を補助する業務に就いたり、科学技術に関する研究、設定、分析、評価に関する業務に携わる仕事を7年以上行ったりするなど、定められた実務経験を積む必要があります。
      
      

    技術士の試験内容・試験方法

    技術士の試験には第1次試験と第2次試験があります。

    第1次試験の科目は「基礎科目」「適正科目」「専門科目」の3つに分かれ、いずれもマークシート式の5択問題です。

    設問数は、基礎科目が全30問、適正科目が全15問、専門科目が全35問で、合計すると80問です。

    専門科目では、事前に選択しておいた部門の問題にのみ解答します。

    第2次試験には記述試験と口頭試験があり、口頭試験は記述試験に合格した人だけが受験可能です。

    記述試験では、専門知識や応用能力、問題解決能力などを判断されます。

    技術部門全般の専門知識についての出題が必須科目となり、600字詰用紙3枚の文章を書いて提出します。

    口頭試験で試されるのは、コミュニケーション能力やリーダーシップなどの実務能力、そして技術士としての適格性です。
      
      

    技術士の試験日程

    ここでは令和4年度の技術士試験の日程を紹介します。

    第1次試験は申込書の配布が令和4年6月10日から6月29日、申し込みの受付が令和4年6月16日から6月29日でした。

    筆記試験の実施は令和4年11月27日、合格発表は令和5年2月です。

    第2次試験は申込書の配布が令和4年4月1日から4月18日、申し込みの受付が令和4年4月4日から4月18日でした。

    筆記試験の実施は令和4年7月17・18日、合格発表は令和4年11月です。

    口頭試験の実施は令和4年12月から令和5年1月、合格発表は令和5年3月です。
      
      

    試験の難易度

    技術士の一次試験に必要な知識は大学卒業レベルで、出題問題も基本的なものが中心です。

    過去の問題から出題されることも多く、その中から50%程度正答すれば合格なので比較的簡単な試験だと言えるでしょう。

    ただし、部門によって合格率は大きく変わります。

    例えば、令和3年度の試験結果をみると、船舶・海洋部門の合格率は68.8%と高い一方で、環境部門は11.3%と大きな差がありました。

    自分がどの部門を受けるのか、その部門の合格率はどの程度なのかを事前に確認しておきましょう。

    それに対して、二次試験は筆記試験の他に口頭試験もあり、最終的な合格率は10~15%程度と狭き門です。

    それも、社会に出て専門的な実務経験を経た人だけが受験してこの数字ですからかなりの難関です。

    二次試験の難しさの原因は主に試験の採点基準にあります。

    筆記試験は論文形式で行われ、その内容によってABCで評価されます。

    しかも、解答用紙のスペースに対し、空白が数行以上あると無条件でC評価になりますし、設問の趣旨から少しでもずれていたり、意味の理解できない文章があったりしてもやはりC評価です。

    単に知識があればよいというわけでなく、質問に対して正確に分かりやすく説明する能力が問われるのです。
      
      

    高みを目指すのであれば技術士の資格取得は必須

    このように、取得が難しい資格の割に認知度が低いのは、保育士が業務独占資格ではなく、名称独占資格だからでしょう。

    医師や弁護士などの業務独占資格は、資格がなければその仕事にはつけませんが、名称独占資格はその資格がなくても仕事をすることは可能です。

    保育士の資格がなくても保育園で働けるのと一緒です。

    もっとも、土木関連設計会社をコンサルタント会社として登録するには技術士の資格が必要ですし、公共事業の入札審査の際には、技術士の人数が重要な判断材料になります。

    他の分野でも専門性の高い仕事ほど技術士の肩書きが重要になってきます。

    したがって、特定の分野で高みを目指したいというのであれば、技術士は必須の資格だと言えます。
      
      

    技術士試験の対策方法

    技術士試験は難易度が高いため、正しい方法で入念な対策を行うことが重要です。

    技術士を目指している人は、一次・二次それぞれの試験対策方法を押さえておきましょう。

    一次試験では「基礎科目」「適性科目」「専門科目」の3科目で出題されます。

    過去問と同じ問題が出やすい傾向にあるので、過去問を繰り返し演習する対策が必要です。

    日本技術士会のホームページなどで過去問を調べ、取りこぼしのないように演習を重ねておきましょう。

    また、各科目で50%以上の得点を取るためには、得意分野の問題で点数を稼ぐのがポイントです。

    技術士としての適性を試される「適性科目」は点数を取りやすい科目ですが、落ち着いて問題に臨まなくてはなりません。

    二次試験は難易度の高い論文対策がポイントとなります。

    答えを暗記できない分野なので、合格者などにアドバイスをもらいながら対策を練るのが効果的です。

    筆記試験に合格すれば口頭試験が行われますが、思わぬミスをしないように面接の練習もしておくとよいでしょう。
      
      

    技術士を取得するメリット

    技術士の資格を取得すると、手当や昇給などの収入アップにつながるメリットがあります。

    技術士は技術系最高峰の資格であり、取得した人にさまざまな特典を用意している企業も少なくありません。

    勤め先での評価が上がり、月2万円程度の資格手当が付く可能性もあるでしょう。

    また、より年収の高い企業に転職できる可能性も高まります。

    次に、スキルアップや人事評価・昇進につながることも技術士の資格を取るメリットの一つです。

    技術士の試験は極めて難易度が高く、合格するために専門的な知識を幅広く身に付けなくてはなりません。

    その他、論理的な思考力や、自分の考えをわかりやすく伝える説明力も磨かれるため、技術士としての能力が評価されやすくなるはずです。

    次に、転職で有利になることも大きなメリットだといえます。

    技術士試験は合格者が少なく、人材としての希少価値が高いため、転職市場での価値もそれだけ高まります。

    最後に、技術士会に所属することで人脈が広がり、多彩な分野のプロフェッショナルと交流できることもメリットの一つです。
      
      

    技術士の業務と平均年収

    技術士の活躍の場として筆頭に挙げられるのは、技術コンサルタントです。

    同じコンサルタントといってもその分野は多岐にわたり、経営工学部門の場合は工場運営、生産管理、品質管理の視点から技術改善コンサルタントを行います。

    また、化学部門では石油化学、機能化学などの工場での設備管理、安全設計、現場改善の助言を行うといった具合です。

    統計調査を見ても、技術士の勤務先の多くが一般企業あるいはコンサルティング会社となっており、その他には、官公庁勤務や独立技術コンサルタントとして開業などが目立ちます。

    また、部門別で見ると、有資格者の半数近くが建設部門で次いで多いのが上下水道部門となっています。

    これは、建設業界でのキャリアアップのために技術士を目指す人が多くいる現状を浮き彫りにしています。

    確かに、以前は、建設部門以外ではあまり役に立たない資格とも言われてきました。

    しかし、技術革新による技術の高度化に伴い、専門知識と応用力を兼ね備えた人材として、技術士のニーズは高まりつつあります。

    例えば、同じ工場勤務でも技術士の資格をもっていれば給料にも大きく反映される場合があり、転職にも優位に働きます。

    ちなみに、2014年度の技術士の平均年収は約540万円で職種別での平均年収と比較しても全体の9位という高さです。

    技術士は世間での認知度は低いものの、専門分野に進むほどにその価値の大きさが実感できる資格です。

    モノづくりに対して大望を抱いている方は長期的な計画を立て、技術士にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
      
      

    技術士になって活躍の場を広げよう

    技術士は技術系の最高峰ともいえる資格です。

    ものづくりに携わる人間であれば、一度は取得を検討しておきたい資格だといえるでしょう。

    技術士試験に合格するためには、試験の対策方法を押さえ、油断せずに臨むことが大切です。

    技術コンサルタントなどの仕事で高収入を得るためにも、技術士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
      
      

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