ドライバーとして働いている人なら、大型ドライバーのニーズが高いことを意識する機会は少なくないでしょう。そんな傾向に伴い、収入アップの道が開ける大型自動車免許には多くの関心が寄せられています。
では免許取得に向けて実際にどのような情報を知っておく必要があるのでしょうか。
ここでは、大型自動車免許を取得するための条件をはじめ、取得にかかる期間や費用、試験の難易度などをまとめて解説します。
大型トラックドライバーになるメリットとは?平均年収も紹介
大型トラックドライバーは、大型自動車免許さえあれば未経験でも仕事に就きやすく、転職もしやすいことが最大のメリットです。
実際にさまざまな業界で大型トラックドライバーのニーズは高まっており、免許という一生ものの資格を持つことで、いわゆる「食いっぱぐれ」になる心配がありません。
60代で現役ドライバーとして活躍する人も多く、男性女性に関わらず長く働けることも利点です。
大型トラックドライバーとして働くと、長時間・長距離を運転することになるので、渋滞の少ない道や地理に詳しくなります。
大きな自動車を動かすわけですから、必然的に運転スキルも身についていきます。
1人で運転することが多いため、人間関係のストレスを受けにくいことも大型トラックドライバーのメリットといえるでしょう。
大型トラックドライバーの平均年収は、男性が456万円、女性は388万円です。
男性の場合、月収にすると38万円ですが、ドライバーになりたての時期は月収30万円〜35万円位の水準になります。
それでも一般的な会社員に比べると給料は高めの傾向です。
トラックドライバーとして経験を積み、条件のいい会社に転職することでさらなる収入アップを目指すこともできます。
収入のしくみとして、走行距離や運ぶ荷物の種類によって給料に変動があることが大型トラックドライバーの特徴です。
そのため、長距離を走行することや重要な荷物を運搬することで、月収50万円以上を得ることも珍しくありません。
頑張りしだいで平均年収以上に稼げることが大型トラックドライバーの魅力といえます。
関連記事:「運転手の転職情報、大型トラックドライバーの給料・平均年収は?」
大型トラックドライバーを目指す前に知っておきたい注意点
大型トラックドライバーには適性があるので、注意点についても事前に把握しておくことが大切です。
まず、大型トラックの運転では長距離を走ることが多く、長時間座りっぱなしというケースも少なくありません。
長いあいだ同じ姿勢を続けることで、お尻が痛くなったり、エコノミー症候群になったりすることがあるでしょう。
ただし、エアサスペンション搭載のトラックなら揺れが抑えられ、長時間座り続けることによる疲労の蓄積も軽減されます。
次に、睡眠時間の確保に苦労することがある点にも注意しなければなりません。
早朝や深夜の運転も多く、移動の合間にパーキングエリアなどで寝る場合もあります。
睡眠不足は事故の原因となるため、忙しい中でも睡眠時間をきっちり確保する必要があるでしょう。
大型自動車免許を取得するための条件
大型自動車第一種免許を取得するためには、免許の取得日に満21歳以上であることが前提条件になります。
また、普通(マニュアル車)、準中型、中型、大型特殊のいずれかの自動車免許を取得済みで、運転経歴も通算で3年以上が必要です。
さらに、視力や聴力などの身体的な適正条件も問われます。
視力は、両眼が0.8以上で、片眼が0.5以上、深視力検査の平均誤差が2cm以内であることに加え、信号機や標識で使用される赤・黄・青の3色を識別できなければいけません。
ただし、この視力検査では眼鏡もしくはコンタクトレンズの使用が許可されています。
聴力では、10m離れた距離で90デシベルの警音器の音を聴き取れることが条件となっていますが、聴力検査では補聴器の使用が可能です。
運動機能においては、自動車の運転に支障をきたす身体的な障害がないことも条件に含まれています。
このような条件をすべて満たすことが、大型自動車第一種免許の取得には必要なのです。
関連記事:「ドライバーとして働くなら必要な運転免許の取得条件を知っておこう!」
大型自動車免許でどんな車が運転できる?中型免許との違いについて
大型自動車免許を取得すると、車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上、乗車定員30人以上の大型車両が運転できることになります。
もちろん、中型車両や準中型車両、普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車の運転も可能です。
運転できる車種では、一般的な運搬用大型トラックをはじめ、保冷トラック、引越用トラック、クレーン作業用トラック、高所作業車、ダンプカー、タンクローリー、ゴミ収集車などが挙げられます。
つまり、大型自動車免許を保有することで、運送業や流通関係、建設業といった分野でプロのドライバーとして働くことができるのです。
また、大型自動車第二種免許を取得すれば、観光バスや路線バスなどの旅客運送用の大型自動車も運転できるようになります。
中型免許でも準中型車両、普通自動車、小型特殊自動車、原動機付自転車の運転は可能ですが、車両総重量7.5トン以上~11トン未満、最大積載量4.5トン以上~6.5トン未満、乗車定員は29人までとなっています。
やはり大型自動車免許は、トラック業界での仕事の幅を大きく広げる資格といえるでしょう。
関連記事:「取得に要する費用や期間は?中型自動車免許に関する疑問をまとめて解説」
大型自動車免許試験は難しい?教習内容や難易度が知りたい!
大型自動車免許を取得する方法は二通りあります。
一つは、自動車教習所に通って、技能卒業検定に合格する方法。
もう一つは、運転免許試験場でダイレクトに技能試験を受ける、いわゆる一発試験という方法です。
一般的には、自動車教習所に入校し、技能と学科の教習を経て免許取得を目指します。
自動車教習所での教習内容は、発進や停止、速度調整など基本的に普通自動車免許とほぼ同じ流れです。
すべての教習を終えて路上技能検定に合格し、運転免許試験場で適性検査にパスすれば大型自動車免許が交付されます。
なお、大型免許の教習は第一段階と第二段階に分けられ、第一段階に合格してから第二段階に移行するという流れになります。
第一段階では、教習所内の場内コースで技能研修を受けます。
第一段階の教習内容は、車の乗り降りと運転姿勢、運転装置、基本的な操作方法の説明などです。
その他、目標に合わせて停止する練習、カーブや狭い道の通行方法、坂道の発進方法、狭い場所での方向転換、踏切の通過、急ブレーキといった内容を学びます。
第一段階での技能修了検定に合格すると、仮免許証が発行されて第二段階へと進むことになります。
第二段階の教習が行われるのは、場内コースではなく路上です。
路上教習では、流れに沿った車の通行や、標識・信号に合った通行、交通状況に見合った運転、経路の組み立て、適切な縦列駐車、危険を予測しながらの運転、急ブレーキなどを学習します。
第二段階での卒業試験に合格すると、適性検査を経て免許が発行されるという流れになります。
一方、運転免許試験場で一発試験に臨む方法では、実際に一発で合格するのは容易ではありません。
大型自動車免許の試験は高い運転技術が求められます。
普通自動車とは高さや幅が異なるため、ハンドル操作や後進などが難しく、このような高度な運転技術を独学で習得しなければなりません。
また、教習所に通う取得方法なら学科試験が免除されますが、一発試験では結局教習所に行って取得時講習を受ける必要があります。
二通りの取得方法を併せた合格率は、2011~2015年の平均で約90%ですが、さまざまな事情から取得にかかる難易度は、教習所通いが低く、一発試験は高いことがうかがえます。
関連記事:「大型免許取得で就職・転職や給与アップを目指そう!教習内容とは」
大型自動車免許を取得するまでの期間と費用は?
教習所を利用する場合、大型自動車免許の取得にかかる期間と費用は、すでに所持している免許の種類によって変わってきます。
また、通学と合宿で違いがあることも取得方法を選ぶポイントになります。
通学の場合、費用の相場は、普通免許所持で35万円前後、準中型限定免許所持で30万円前後、中型免許所持なら18万円前後です。
合宿の場合はそれぞれ5万円前後安くなります。
期間については、通学の場合、普通免許所持で20日間前後、中型8トン限定免許所持で15日間前後です。
合宿の場合はそれぞれ5日前後短くなります。
ただし、これらはあくまでも平均で、地域によっても差があるので、利用する教習所への確認が必要です。
一発試験の場合は、合格までの道のりに個人差がみられるため、期間と費用に定まった答えはありません。
合格できなければ試験場へ何度も出向くことになり、その分、時間や費用的なコストもかかってしまうでしょう。
関連記事:「どれくらいかかるの?大型免許の教習所の料金費用の相場とは」
大型自動車免許では教習所と合宿のどちらを選べばいい?
大型自動車免許を通学で取るか、それとも合宿で取るか、悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
教習所に通う場合、仕事しながらでも免許取得を目指せるのが大きなメリットです。
自分のペースでカリキュラムを進められる点も魅力的だといえます。
ただし、行きたいときに予約が取れないこともあり、突然の仕事で受講できなくなったときはキャンセル料が発生するので注意が必要です。
一方、合宿の場合は短い期間で効率的に安く免許を取得できます。
また、検定に落ちて延長になったときの補償が付いているプランもあります。
しかし、短期間で集中して受講することになるので、まとまった時間が作れない人には向かない方法です。
自分に合った方法で大型免許の取得を目指すとよいでしょう。
大型免許と同時に取得できる免許がある?
大型免許と同時に取得することで、仕事の幅をさらに広げられる免許があります。
それが、大型特殊免許やけん引免許です。
大型特殊免許とは、クレーン車やブルドーザーなどの大型特殊自動車を運転できるようになる免許のことです。
大型特殊自動車は作業現場などで活躍しているため、運転できれば就職や転職でも有利になるでしょう。
けん引免許とは、総重量750kg以上の他の車をけん引しながら運転できるようになる免許のことです。
タンクローリーや大型トレーラーのように、車と荷台がセットになっている車を運転するときはけん引免許が必要です。
また、トレーラーなどを引っ張りながら運転する場合もけん引免許が必要となります。
荷物を運ぶ仕事ではさまざまな場面で役に立つ免許なので、取っておいて損はありません。
これらの免許を大型免許と併せて取ることで、仕事の幅を広げることができるはずです。
場合によっては、資格手当が付与されて収入が上がることもあるでしょう。
免許取得で助成金がもらえる!教育訓練給付金制度という賢い選択
教育訓練給付金制度とは、働く人のスキルアップや再就職を給付金で支援する雇用保険のしくみです。
この制度を利用することで、大型自動車免許を取得するために教習所に支払った教習費用の一部が助成金として支給されます。
助成金の上限は支払った費用の20%(最大10万円まで)で、雇用保険の加入が1年以上あり、離職してから1年以内が受給の条件です。
教育訓練給付金制度を利用するためには、ハローワークへの申請と、その手続きにさまざまな書類が必要となります。
教育訓練給付金支給申請書、教育訓練修了証明書、返還金明細書といった書類のほかに、本人および住所確認のための書類や印鑑、雇用保険被保険者証も欠かせません。
支給対象となる教習費用は入学金と受講料のみですが、仮に30万円を支払った場合、6万円が戻ってくることになるので、条件さえ合えばぜひ利用したい制度です。
関連記事:「免許取得で補助金(助成金)がもらえる!?教育訓練給付金制度の概要」
ドライバーとして仕事の幅を広げるなら大型自動車免許を取得しよう!
大型自動車免許は、長く働ける一生ものの資格です。
取得すればドライバーとして仕事の幅が広がることはもちろん、転職や収入アップなどのメリットにも期待できます。
取得するためには、それなりの期間や費用がかかりますが、教習所に通うことで試験の難易度は低くなるでしょう。
今の仕事に悩んでいる人や離職中の人でも、自分の生活スタイルに合った取得方法を選んで、大型自動車免許を目指してみませんか。
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