建物や人が混雑する場所、工事現場などでよく見かける警備員。警備員として働くためには、新任教育という研修を受ける必要があります。
また、すでに警備員として仕事を続けている人も現任教育という研修を定期的に受けているのです。
ここでは、警備員が受けなくてはならない新任教育と現任教育について、また、警備員の資格について紹介します。
警備員になるには新任教育が必要!その中身は?
警備員は、人々の安全や安心にかかわる仕事です。
ときには、人命にかかわることもあります。
そのため、警備員の仕事にたずさわる前に、一定の知識や技術を身につけておく必要があるのです。
そのための研修が新任教育です。
新任教育は警備業法によって、警備業者が自社で働く警備員に対して実施することを義務付けられています。
この研修を受けないと警備員として働くことはできません。
正社員や契約社員、アルバイトなどの雇用形態には関わりなく、また、例え短期アルバイトであっても、警備員として働くからには新任教育を受ける必要があるのです。
新任教育を受けるのに、特別な資格は必要ありません。
18歳以上であれば大丈夫です。
しかし、教育をする側の人間は、警備員指導教育責任者という国家資格を持った人間である必要があります。
新任教育を受ける場所は、採用された警備会社で受ける場合もあれば講習会場で行われる場合もあるなどさまざまです。
新任教育の期間中も、最低賃金以上の賃金は支払われることが決まっています。
ただし、支払われる金額や時期については、それぞれの警備会社によって違いがあるので注意が必要です。
新任教育の内容や必要な時間については、警備業法によって定められています。
基本教育が15時間以上と業務別教育が15時間以上です。
全部で30時間以上になるので、4日間にわたって行われます。
基本教育で学ぶのは、警備員として知っておくべき最低限必要な知識です。
警備に関係する法令や心構え、事故が発生した場合の対処方法や救命措置などについて勉強します。
万が一の場合に、自分の安全を確保する方法についても学ぶので、とても大切な研修です。
基本教育では、テキストやDVDを使用して行われる講義と、実技の両方が行われます。
基本教育の15時間が終了すると、続いて行われるのが業務別教育です。
警備員の仕事は、常駐の警備と交通誘導警備、貴重品運搬警備、さらに、身辺警備の4つの業務に分かれています。
そのため、自分が勤務する現場に合わせた知識を身につけるのです。
ただし、15時間必要な業務別教育のうち8時間は、実地教育が認められています。
そのため、研修後に実際に勤務する現場での教育を受けることができます。
警備員になってからも受ける必要がある現任教育とは?
新任教育を終えて警備員としての仕事をスタートしても、研修は終わりではありません。
警備員は、半年という短い期間ごとに8時間の研修を受ける必要があるのです。
この研修は、現任教育と呼ばれています。
現職の警備員が現任教育を受けなくてはいけないことを義務付けているのも、警備業法です。
現任教育の場合も新任教育と同じように、基本教育と業務別教育の両方を受ける必要があります。
ただし、研修に必要な時間は新任教育のときと比べて大幅に短いというのが大きな違いです。
現任教育では、基礎教育を3時間以上と業務別教育を5時間以上、合計8時間以上の研修を受ける必要があります。
すでに現場で働いている警備員が半年ごとに現任教育を受ける必要があるのは、警備にかかわる法律が変更される可能性があるからです。
現職の警備員は現任教育の際に、法律の改正点などの新しい知識を習得します。
警備員は半年ごとの現任教育を受けることで、警備の質を維持し、技術を向上させているのです。
警備員の教育時間が短縮される場合がある?
警備員は、警備員としての仕事を始めるときに新任教育、仕事を始めてからも半年ごとに現任教育を受けることが定められています。
さらに、新任教育では基本教育が15時間以上、業務別教育も15時間以上受けなくてはいけません。
また、現任教育の場合は、基本教育3時間以上、業務別教育が5時間以上と決まっています。
しかし、これは資格を何も持っていない、一般警備員の場合です。
資格や経験があれば、教育時間が短縮されたり免除されたりする場合があります。
例えば、1年以上警察官としての経験がある元警察官の場合は、新任教育において本来15時間以上受ける必要がある基本教育が、5時間以上にまで短縮されます。
また、3年間以内に1年以上警備業務を経験しているものは、新任教育での基本教育が5時間以上に短縮されるのに加えて、業務別教育も5時間以上に短縮されるのです。
研修が免除される場合もあります。
機械警備業務管理者という資格を持っていれば、新任教育の際に、基本教育は通常通り15時間受ける必要がありますが、業務別教育は免除されます。
逆に、新人教育において基本教育が免除されるのが、警備員指導教育責任者の資格を持っている人です。
ただし、業務別教育は15時間以上受ける必要があります。
さらに、警備業務2級検定の合格者は、新任教育そのものが免除され、現任教育においても基本教育が免除されます。
また、警備業務1級検定合格者になると、新任教育と現任教育の両方を受ける必要がありません。
警備員には法定研修の他に、講習もあるの?
警備員が受ける必要がある法定研修とは、新任研修や現任研修のことです。
これとは別に、警備業務の1級や2級の資格を取得するために受ける講習があります。
講習を受けると、検定試験を受験して合格したものとみなされます。
ただし、有資格者となるためには、公安委員会から合格証明書の交付を受けることが必要です。
警備業法では、警備会社が特定の警備業務を行うときには、検定の有資格者に実施させることになっています。
そのため、警備会社にとって警備業務の有資格者は、必要な人材です。
警備員は未経験でもできる職業?
警備員になるのに、資格や経験は必要ありません。
ここで紹介したように、警備員として働く前には30時間以上の新任教育を受ける必要があります。
しかし、新任教育は警備会社に採用されてから受けるものです。
警備会社での面接を受ける前に、新任教育を受けておかなくてはいけないわけではありません。
ただし、警備会社に正式に採用されるのは、新任教育を終了したあとになります。
新任教育の期間中も給料が出るので、興味があるなら面接を受けてみるとよいでしょう。
警備員の資格はあると有利になる?
警備員として働くなら、警備業務検定という資格があります。
資格がなくても警備員の仕事をすることは可能です。
しかし、警備会社にとっては、特定の警備業務をするときに警備業務検定の有資格者が必要となります。
そのため、資格をとっておくと会社から優遇されるのです。
アルバイトから正社員を目指していたり、警備の仕事をずっと続けたいと思っていたりするなら、警備業務検定は取得しておくとよいでしょう。
警備業務検定には1級と2級があり、それぞれ6種類の業務に分かれています。
新任教育や現任教育における業務別教育で分けられた業務とは違いがあるので注意しましょう。
最初は、自分がよく行う業務の2級検定を受けるのがおすすめです。
1級検定は、2級検定に合格し、その業務に1年以上従事しないと受けることができません。
警備員に挑戦しよう!
警備員は、人々の安全や安心、さらに命を守る大切な仕事です。
しかし、特別な資格は必要なく、比較的採用されやすい傾向があります。
ただし、警備員になってからは、法律で決められた研修をしっかりと受けなくてはいけません。
しかし、研修によって常にレベルを保つ必要がある職業なのです。
資格を取れば警備員としてレベルアップをすることもできます。
興味があるなら、挑戦してみるとよいでしょう。
