警備基礎知識記事

現金輸送車の警備をするならチェック!内部や装備の構造を知っておこう


警備員の仕事のひとつに「現金輸送車の警備」があります。

金庫と一緒に警備員が乗り、外部からの襲撃を防ぐ重要な任務です。

そして、安全に仕事を終わらせるには現金輸送車の構造を知っておかなくてはなりません。

普通の車とは違う部分も多いので、細心の注意を払って乗り込みましょう。
  
この記事では、現金輸送車の内部、装備の構造を解説します。
  




現金輸送車とは?普通の車両との違いや特徴を紹介





■新しいお金を供給するために欠かせない車両
  
日銀が担う業務のひとつに、「お金の供給」があります。
  
経済を活性化させるには、定期的に新しいお金を市場に加えなくてはなりません。
  
また、お札は硬貨よりも傷みやすいので、1~2年ほどを目安として日銀に回収されています。
  
古いお札を原材料として、また新しいお札が作られ、発行されるのが経済の仕組みです。
  
そして、これらのお金を運ぶのが「現金輸送車」と呼ばれる特別な車両です。
  
見た目は普通のトラックや自動車と大きな変わりはありません。
  
しかし、細部に防犯用の工夫がこらされており、侵入や襲撃に備えられています。
  
  

■現金輸送車の種類はさまざま
  
大量のお金を運ぶ際には、10トントラックのような大型車が採用されています。
  
ただし、1トン級の車両を現金輸送車として用いるケースのほうが一般的です。
  
なお、支店同士でごく少額をやりとりする場合には、普通の乗用車を走らせることもありえます。
  
ただ、これらの車両には特別な装備も仕様もほどこされていないので現金輸送車とは呼びません。
  
あくまで、防犯や防弾の構造が取り入れられているタイプのみを現金輸送車とするケースが一般的です。
  






現金輸送車の構造1.後部座席はそのまま金庫になっている





■二重ドアで侵入は至難の業
  
ワンボックスタイプの現金輸送車は、運転手と助手の座る前部と後部に分かれています。
  
そして、後部座席は全体が金庫室として設計されているのが基本です。
  
サイドのドア、後部のドアを開けるとすぐ金庫室に乗り込める構造だといえるでしょう。
  
なお、後部ドアは二重になっていて、外部から攻撃されても簡単には破られない仕組みです。
  
金庫室は前部の運転席とも頑丈な格子によって隔たれています。
  
万が一、強盗が運転席を占拠してしまっても後部に移動するのは困難です。
  
なお、現金の入ったトランクは金庫室の床に固定されます。
  
ロックを外さなければ持ち上げられず、強盗に侵入されてもあっさりとは奪われにくい工夫がなされています。
  
  
■警備員はどうやって警護する?
  
金庫室には2名以上の警備員が乗り込み、輸送中の警護を行うのが基本的なスタイルです。
  
貴重な金品、かなりの大金ともなれば大勢の警備員が動員されることも珍しくありません。
  
そして、常に誰かが金庫へと目を光らせている状況を作り出します。
  
車が目的地に到着し、金庫を運ぶ際も警備員は隊列を組んで組織的に移動します。
  
なお、現金輸送車の警備は誰でもできるわけではありません。
  
警備員の中でも特別な講習を受けた人だけが任務を与えられます。
  






現金輸送車の構造2.セキュリティ仕様がほどこされたドア




ワンボックスタイプの場合、現金輸送車のサイドドアは片開きになっていることがほとんどです。
  
後部ドアは観音開きのケースが多く、二重構造で安全性を高めています。
  
ドアには防弾素材が使われており、万が一、銃撃を受けても簡単には貫通されないしくみになっています。
  
また、数々のセキュリティシステムが取り入れられているのも現金輸送車ならではの特徴です。
  
たとえば、無理にドアをこじ開けようとすればサイレンが鳴動し、周囲に犯行を知らせるなどのシステムがあります。
  






現金輸送車の構造3.窓ガラスは乗員の安全を確保




普通の車両が襲撃を受けた際、もっとも危険なのは窓ガラスといえます。
  
強い衝撃を与えれば割れる部分なので、窓ガラスから侵入を許す可能性は少なくありません。
  
また、もしも遠方から銃撃されたとしたら、ドライバーや助手の生命すら危険にさらされてしまいます。
  
そこで、現金輸送車では防弾仕様の特別なガラスが使われる傾向にあります。
  
また、これらのガラスは金属バットなどの固い武器で殴っても、粉々になりません。
  
ヒビが入ることがあるだけで、容易に破れない構造です。
  
突然強盗に襲われても、防弾ガラスは乗員と現金の安全を守ってくれるのです。
  






現金輸送車の構造4.特別な装置で強盗に対抗する




一般車両にない特別な装置によって現金輸送車は守られています。
  
以下、ほんの一例です。
  
  
■ワイヤレスリモコン
  
多くの現金輸送車はワイヤレスリモコン装置が備わっています。
  
仮に、乗員が車を開けてしまい、強盗に乗り込まれてしまってもすぐアクセルをロックできるシステムです。
  
リモコンが起動する範囲は100mほどなので、遠くに離れさえしなければ車ごと強奪される事態を防げます。
  
  
■非常ボタン
  
現金輸送車は随所に非常ボタンが設けられています。
  
警備員はもちろん、運転手や助手でも危機を察知したらすぐボタンを押せる構造です。
  
ボタンが押されればサイレンが鳴ったり、ハザードランプが点滅したりして周辺に異常事態を知らせます。
  
  
■天井
  
現金輸送車には天井にナンバーが刻まれています。
  
もしも車が奪われてしまっても、ヘリコプターで追跡してナンバーを確認すれば犯人を特定できます。
  
  
■GPS・録画機能
  
現金輸送車は自らの走行記録をGPSによって記録しています。
  
走行ルートは絶えずシステムに送信されているので、もし車が奪われてもすぐに位置情報を確認できます。
  
また、前方はもちろん、社内で起こった出来事もすべて映像に残せます。
  
強盗の顔を確認したり、手口を調査したりするときに役立つでしょう。
  
なお、金庫室の開閉もデータで記録されます。
  
不審な動きがあればシステムが見逃しません。
  
  
■無線設備
  
緊急時の無線が備わっている現金輸送車も少なくありません。
  
トラブルを知らせたり、襲撃を受けて応援を呼びたかったりするときに使われます。
  






現金輸送車の構造5.警備員に与えられた道具まとめ




いざ現金輸送の任務に就くとき、警備員にはさまざまな道具が与えられます。
  
ふだんの業務でも携帯するものから、現金輸送ならではのものまで、種類はさまざまです。
  
以下、道具を一覧にしました。
  
  
■携帯電話
  
本人の携帯ではなく、任務用のものを与えられるケースが一般的です。
  
警備会社の本部や銀行などとのやりとりに使います。
  
  
■警戒棒・刺又
  
強盗と対峙したときに使用する、自己防衛や捕獲用のアイテムです。
  
刺又は単独だと効力を発揮しにくいものの、複数で犯人を取り囲むようにして用いれば逃亡を阻止できます。
  
  
■盾
  
強盗の襲撃や銃撃などに対抗するための防具です。
  
車から降りて現金を運ぶときにも使います。
  
素材としてポリカーボネートが使われる傾向にあります。
  
いわゆるエンジニアリングプラスチックで、耐久性がありながら透明であるため視野も確保しやすいのはメリットです。
  
  
■防刃手袋
  
刃物で切りにくい、特別な素材でできた手袋です。
  
武器を所持している強盗と格闘になっても、怪我をしないようにとの配慮から支給されます。
  
  
■カラーボール
  
衝撃を与えれば割れて、蛍光塗料が飛散するようにできている防犯アイテムです。
  
犯人の逃走車や衣服に付着するよう狙って投げます。
  
塗料は簡単に洗い流せないので、犯人は検問を突破しにくくなります。
  
なお、犯人の体にボールを当てても衝撃が弱くて割れないことはありえます。
  
衣服に塗料をつけるなら、犯人の足元で割って飛び散らせるのがコツです。
  






現金輸送車の構造を理解して警備員の仕事を遂行しよう




警備員にとって現金輸送車の警護は大きな責任をともなう任務です。
  
もしも失敗すれば依頼先に大打撃があるだけでなく、自身が危害を加えられることもありえます。
  
集中力や体力、判断力などを総合的に発揮しなくてはなりません。
  
また、実際に強盗の襲撃やトラブルに直面しても冷静に対応することが肝心です。
  
現金輸送車の装備や道具をしっかり把握し、的確に使えるよう準備しておきましょう。
  


  
  
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