自動車に使われている部品はすべて大切で、一つとして欠かすことはできません。その中でも、とくに大きな役割を担っているパーツの1つがシートです。シートは、機能とデザインの両面から自動車を支えている部品だといえます。
そんな重要な自動車のシートですが、いったい工場ではどのように製造されているのでしょうか。
そこで今回は、シートの製造工程について、詳しく説明していきます。
製造工程1【裁断と縫製】
自動車のシート作りは、人の手によっておこなわれる工程が多いことが特徴です。
自動車に搭載される部品の中では、一番人間の手が必要となるのがシートだという人もいるほどです。
しかし、レザーやファブリック、またはPADなどの裁断工程については自動化されています。
これらの裁断品は、コンピューターで制御された自動裁断機によって正確に裁断されるのです。
たとえば本革を使用したシートでは本革をPADに接着し、規格で定められたサイズに2次裁断されます。
そしてそのあとで、デザインによってはPADを張り付けた本革にキルティング加工などが施されます。
裁断の次に来る工程は縫製です。
正確に作られたピースや樹脂フックを、ミシンなどを使って人間の手作業で縫い合わせていきます。
デザイン通りの仕上がりにするためには、縫製する際におこなわれる、ピースの位置合わせが大変重要です。
シートの表面の材料に使われる革やファブリックの寸法は、湿度や温度の影響を受けます。
ですから、材料の状態を安定させるために、湿度や温度が管理された施設内で、これらの細かい作業はおこなわれています。
製造工程2【ウレタン発泡工程・一体発泡工程】
こちらではシートの中身になるウレタン部品の生産や、縫い上がったシートカバーをウレタン副資材にかぶせる工程になります。
通常の方法では、まず、発泡ウレタンを設計図通りに製作します。
こうして中身になる部分を作ってから、すでに形ができているウレタンの上にシートカバーをかぶせて仕上げるのです。
この工法と並んで、一体発泡工程と呼ばれる技術も導入されています。
一体発泡工程では縫製工程が完了したシートカバーを型にセットします。
そしてこのカバーの内部に、直接ウレタンの原料を注入していくのです。
シートに注ぎ込まれたウレタンを発泡させることにより、シートの成形をおこなう仕組みです。
この方法で形成すると、カバーの隅々までウレタンが行き渡ります。
そのため、隙間が全くできません。
シワやヨレが起こることもなく、フィット感の優れたシートが完成するのです。
製造工程3【組立工程】
組立工程では、ウレタン・縫製パーツとシートフレームを組み合わせていきます。
シートフレーム造りの過程ではプレス品やパイプの溶接作業がありますが、これはロボットがおこなうことが一般的です。
しかし、そのほかの組み立て作業については、作業員の手によって一つずつ丁寧かつ慎重に進められます。
ボルトやナットも指定されている工具を使って、規格内の方法で締めつけられていきます。
このような手順の中でリクライナーやシートレールをはじめとする機構部品や、そのほかにも必要な外観部品が組付けられていくのです。
完成したシートは、厳しい検査を受けます。
外観や仕様のチェックはもちろんのこと、防音室の中で異音が発生しないか、異常な振動が起こらないかなども調べます。
自動車は進化中!未来のシートはどう変わる?
自動車業界には、自動運転の波が押し寄せています。
自動運転が導入されると自分で運転しなくてもよくなるため、車内での過ごし方も変わってくるでしょう。
それにともなって、自動車シートに求められる役割にも変化が求められることになります。
健康志向が強まる世相を反映して、車でエクササイズができるシートというアイディアまで飛び出しました。
自動運転中は同乗者と向かい合って会話を楽しむことも可能です。
シートの設計やデザインのコンセプトも変わり、車内の快適性やインテリア性の向上につながるシート造りが重視されるようになるのではないでしょうか。
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