スーパーやコンビニなどで大量の食品を販売するために、多くの食品は工場で大量生産されています。人の体に入る食品を扱う食品工場では、食中毒や異物混入を防ぐためにも衛生管理はとても重要なことです。万が一問題があった場合は消費者の健康被害だけでなく会社の存続にもかかわる可能性もあるため、どの食品工場でも工場の衛生管理には力を入れています。具体的にはどのようなことに気をつけているのか、まとめてみました。
国が決めた衛生管理に対する制度はあるの?
食品工場には必要不可欠な衛生管理ですが、国が定める基準は特にありません。なぜなら食品にはさまざまな種類があることと、日本列島は南北に長いので北と南の環境が異なることで基準を守るための負担が変わってくるからです。国の制度はなくても会社独自や都道府県独自の制度があるところは多いようです。
工場の中には、年に数回の研修会を開いているところもあります。また、例えば東京都の場合は「食品衛生自主管理推進」という制度があり、基準をクリアすれば「東京都食品衛生マイスター」という称号が与えられます。国としての制度はなくても、食の安全を守るために独自の制度で衛生管理を徹底しています。
食品工場で安全性を保つために
現在ほとんどの食品工場で導入されている衛生管理の基本は「5S」で、5Sとは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」のことです。この5つは食品工場だけで重要なわけではありません。食品以外の工場でも必要なことで、もともと5Sは工業系工場で現場管理手法として取り入れられましたが、1990年代には食品工場でも取り入れられるようになりました。
これらは食品工場の「清潔」を目的として清潔にするために「整理」「整頓」「清掃」を行うこと、そして整理整頓や清掃を確実に行うために「躾」を行うという構図です。食品工場には正社員以外にもパートやアルバイトなどたくさんの人が出入りするので、従業員の教育訓練である躾も衛生管理には大切なことなのです。
具体的にどんなことに気をつけているの?
工場内を清潔に保つためにも整理整頓は重要です。食品工場のヒューマンエラーで最も多いといわれているのが異物混入といわれています。テレビや新聞で異物混入のニュースを見たことのある人は多いのではないでしょうか。いくら気をつけていても気が付かないうちに混入してしまう可能性はゼロではありません。
そこで混入の可能性があるものは製造している現場には置かないことや、代替品を考えるなどしてリスクを減らすことが大切です。さらに備品の数や場所をしっかり決めておくことで、紛失に気が付きやすくなるので万が一異物が混入しても出荷する前に対応することが可能になります。また昆虫・害虫の発生防止や残留物の除去を徹底するための清掃も重要です。清掃では食中毒を防ぐために雑菌の除去や洗剤の除去も徹底して行います。
工場内に入る従業員も清潔を保つために
食品工場では工場内だけでなく、外から入ってくる菌にも気をつけなければいけません。特に従業員が工場内に入るときは外からの菌が入る可能性がありますし、従業員に付いているホコリや毛髪が知らぬ間に食品に入る可能性もあります。そのため、工場内に入るときには厳重な準備やチェックが必要になります。
ほとんどの工場では工場の入り口でエアシャワーや粘着ローラーなどでホコリや毛髪を除去し、靴を履き替えてから工場内に入るのが基本です。さらに工場内で着用するユニフォームはホコリの付きにくい素材や静電気が起きにくい素材にして、頭部は抜けた毛髪やフケが混入しないように額からこめかみまでしっかりと覆る帽子を着用します。このように安全で安心な食品を提供するために、ほとんどの食品工場では徹底した衛生管理をしているのです。たくさんの人が必要としている食品を扱う工場では、消費者の安全のために日々努力を重ねているといえるでしょう。
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