「毒物劇物取扱責任者」という職業をご存知でしょうか。一見するとなんだか恐ろしいような名前の職業ですが、毒物や劇物というのは私たちの身近にあるものであり、なくてはならないものです。たとえば農薬や塗料の多くは毒物や劇物が含まれており、これらを使わないと農作物が育たなかったり、工場で塗装する塗料が使えなくなったりします。
このような毒物を取り扱ってよい資格を持っているのが毒物劇物取扱責任者であり、この資格を取得することによりさまざまな仕事で活躍することができます。
毒物劇物取扱責任者の仕事とは
毒物劇物取扱責任者とは、農薬や塗装に使う塗料などに含まれる毒物、化学薬品を作るために使われる劇物の製造販売などに携わる仕事です。
日本ではこれらの毒物劇物の製造や販売、監督管理に関わる仕事には必ずこの毒物劇物取扱責任者の資格を取る必要があります。例えば農薬には毒物が含まれており、農薬を製造する工場では必ずこの毒物劇物取扱責任者が存在しています。この他にも劇物を扱う製造や塗装工場、薬局などの薬品関係の仕事でも毒物劇物取扱責任者が活躍しています。
この資格を取得するには国家資格を得る必要があり、試験を自ら受ける必要があります。また薬剤師などの応用化学に関する学課を修了した方はすでに習得されていることになります。
毒物劇物取扱責任者の資格を取得するには
毒物劇物取扱責任者の資格を取るには国家資格を取得する必要があります。
すでに薬剤師などの応用科学に関係する学科を修了している方は受験をする必要はありません。それ以外の方は、各都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験を受ける必要があります。これは現住所に限らずどこの場所でも受けることが可能です。学歴や年齢、実務経験は問われることなく誰でも試験を受けることができます。
資格は「一般」「農業用品目」「特定品目」の3つに分かれており、その中でも「一般」の資格は毒物劇物の製造・輸入・販売すべての責任者になることができるため、資格の中でも一番人気の高いものとなっています。筆記試験と実施試験があり、合格率はおよそ50%です。
毒物劇物取扱責任者の年収はどのくらい?
毒物劇物取扱責任者の仕事は実にさまざまなものがあります。ただこの資格を取得している多くの方は薬剤師です。
大学を出た時点で取得できるため、調剤薬局や病院、ドラッグストアなどで働いている薬剤師の年収は500万円なので、毒物劇物取扱責任者の年収もこのくらいと言えるでしょう。また化学分析などを行う会社や大学などの研究機関に試薬を販売する仕事もあります。この他にも製造や組み立てといった工場で働くことも可能であり、そうした職業の平均年収は400万円から500万円が相場のようです。
毒物劇物取扱責任者が活躍できる工場とは
毒物劇物取扱責任者資格があれば、化学系技術者として化学工場などで活躍することができます。
工場の仕事はさまざまありますが、なかでも塗料や薬品関係、歯科用品、医療機器関係の製造や組み立てに関する仕事には就きやすいようです。毒物や劇物の含まれた樹脂製品や塗料製品を取り扱うこともできるので、派遣社員というよりかは正社員として各工場に就職しやすいメリットもあります。毒物や劇物は医療をはじめさまざまな分野において必要不可欠であり、今後もなくなるということはないでしょう。そのため、この資格を取得しておけば仕事の幅が広がり、就職先の選択肢も増えます。
なお、毒物劇物取扱責任者としての仕事に就く際には、試験に合格したという合格証書が必要になります。毒物劇物取扱責任者にはとくに免許証のようなものはないため、合格証を持って行政窓口にて業許可を申請することが必要です。合格証は再発行してもらえない書類なので紛失しないように気をつけましょう。
毒物劇物取扱責任者はあまり聞きなれない資格でもありますが、取得しておくことでいろいろな分野の仕事に就きやすくなります。専門的な知識も増え、就職や転職の際にも有利に働くことができるでしょう。
