警備業は、警備業法により第1号業務から第4号業務までに分類されています。施設における常駐・巡回による警備が第1号業務、イベント会場や道路などで誘導・規制を行うのが第2号業務、貴重品や危険物の運搬にあたる警備が第3号業務、人や団体に対するいわゆるボディーガードが第4号業務です。このうち第3号業務の内容やスキル、国家資格についてご紹介します。
☆第3号警備業務とは
第3号警備業務とは、警備業法第2条第1項第3号において規定されている業務であり、大きく分けて貴重品輸送警備と核燃料物質等危険物運搬警備業務の2種類があります。貴重品輸送警備は、現金や有価証券、貴金属、骨董品、美術品などの輸送に際し、盗難などのトラブルを防止することが役割です。
また核燃料物質等危険物運搬警備業務では、原子力基本法3条2号によって規定された核燃料物質や、核燃料物質によって汚染された物、それ以外に引火や空気中への飛散によって人々の生命・身体・財産に危険が及ぶ物質・生物に対して、盗難や事故などの防止に努めます。人ではなく物品が警備の対象であることが、この業務の特徴です。
☆第3号業務の主な業務内容
対象物品に対して積み卸し時のみ警備する場合と、積み卸しから輸送中までトータルで警備する場合とがあります。
輸送中の警備では、対象物品を警備員自らが身につけて運搬する方法、対象物品が積み込まれた自動車や飛行機、列車、船舶などに同乗する方法、対象物品が積み込まれた自動車の周囲を並走する方法などがあり、輸送ルートの選択や、通行止めなどのトラブル時のルート変更も重要な業務です。
例えば銀行の現金輸送では、専用の輸送車両に現金を積み込み、警棒・盾・防護ベストなどの護身具を装着した警備員2〜4名が、積み卸しから輸送までを警備します。また核燃料物質等危険物運搬警備業務は、原発事故の影響もあり需要や社会的評価が上昇している職種です。
☆第3号業務に求められるスキルとは
施設警備では依頼先との信頼関係や関係機関との連携、交通誘導警備では群衆管理など、業務の種類によって求められるスキルは一部異なります。
第3号業務の場合は、対象物品に対するセキュリティーが何より重要です。盗難や事故を回避するための高いリスク認知能力、ルートの選択・変更における柔軟性、トラブルが生じた際の迅速な対応ができる人材が適しているといえるでしょう。また対象物品が現金などの高価なものや、核燃料などの危険物であるため、それらを悪用しないための高いモラルを持ち合わせた人が、第3号業務では必要とされます。また警棒や盾、無線機などの器材を扱うスキルも必須です。
☆警備業務検定を取得してみよう
警備業務を行うにあたり資格は必要ありませんが、「警備業務検定」という国家資格を取得することで、警備員としてのキャリアアップが期待できます。
警備業務検定には全6分野があり、そのうち第3号業務に関わるものは「貴重品運搬警備業務」「核燃料物質等危険物運搬警備業務」です。等級としては、現場リーダーとしてのスキルを保証される2級と、警備計画書の作成や教育指導者への助言も行える1級とがあり、2級資格保有者かつ実務経験1年以上という条件を満たした場合に1級を取得できます。
資格取得の手段は、国家試験の受験と、公安委員会に指定された教育機関での講習・修了試験という2種類があり、自身の経験や知識量に応じて選択可能です。さらに実務経験が3年以上になると、「警備員指導教育責任者」という国家資格の受験資格が得られます。
この資格は管理職にとって必要であるため、警備会社の入社前後に警備業務検定を取得し、その後警備員指導教育責任者に合格し昇級するという流れが一般的なキャリアコースといえるでしょう。
