研磨とは、物の表面を滑らかにするために物を削り、磨き上げる作業の事をいいます。
その工程は「研削」と「琢磨」の2つに分かれますが、この2つは同時に行うことが多く合わせて“研磨”と呼ばれます。日常生活のあらゆる場面で、研磨によって仕上げられた製品に出会うことができます。
例えば普段の食卓に並ぶスプーンやフォークの表面が光沢のある滑らかな平面になっているのも、スマートフォンや音楽再生機の表面がつるっとすべらかなのも、あるいは宝石が美しく光り輝いているのも研磨作業によるものです。
また金属製品には欠かせない作業ですので、自動車などの機械部品の多くに研磨が施されており、工業の仕事には欠かせない職種ということができるでしょう。
☆ガラスレンズの研磨
カメラや顕微鏡などに使われるレンズを磨き上げる仕事です。レンズの表面は用途ごとに特殊なカーブがつけられているため、その作業には繊細さが必要とされます。
例えばカメラ部品の光学レンズを作るときには「荒ずり」「研磨」「心取り」の3つの作業を中心に仕上げていくのですが、研磨の段階でうまく磨けないと全体的にぼやけてしまったり、部分的に焦点が合わないレンズになってしまったりという不具合を生じてしまいます。
カーブをつける際にはカーブジェネレーターという機械で大まかにカーブをつけ、さらに研磨皿という器具を使って人の手で丁寧にカーブを仕上げていきます。光学レンズの大まかな作り方は約200年前から大きな変化はありませんが、その加工方法は常に改良が加えられており、研磨の技術も日々進歩しています。
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☆金属の研磨
金属を研磨するときには、その素材の特徴や成分によってどのように加工していくかが判断されます。最も基本的な判断基準は鉄を含むかどうかです。
金属の研磨には硬いダイヤモンドの砥粒を使うことが最もポピュラーですが、ダイヤモンドは鉄との相性が非常に悪いという特性があります。
それを知らずに加工を進めていけばなかなか表面が削れなかったり、砥石ばかり削れてしまったりといった事態に遭遇してしまいます。そのため金属を研磨するときには含まれる成分にも気を配るべきでしょう。
金属と一口に言っても航空機の機体に使われるアルミフレームから日常の料理で使う包丁まで種類は様々です。自分の扱う金属がどのような特徴を持っているのか、常に把握し最適な研磨方法を導き出す必要があります。
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☆宝石の研磨
宝石の王様ともいえるダイヤモンド、情熱的なルビー、落ち着いたサファイアなど、宝石には数多くの種類がありますが、それらはすべて宝石として加工される前は天然の鉱石です。
宝石研磨はその原石から隠れた美しさを取り出すデリケートな作業です。宝石の場合はただ表面を「削る」のではなく、「美しく削る」必要があるため、それぞれの原石の硬度に合わせた研磨材が用いられます。
専用の研磨機「ファセット」を使い、円形のテーブルに砥粒を付け機械を回転させ、原石をほんのわずか押し付けてゆっくりと面(ファセット)を作り宝石としての形を整えていきます。
宝石の良し悪しは原石の質のみでなく、このファセットの角度によっても決まるので、職人の腕次第で宝石の価値が変わります。
☆自分にしかできない仕事がある
研磨作業はどのような職種であっても、繊細さと丁寧さの求められる作業です。そのため細かい作業に連続して取り組むことが苦ではない、という人に向いているといえます。
手作業の簡単な作業から最新の機械を使っての作業、あるいは“職人”と呼ばれるような技術が必要とされる作業まで、研磨の仕事は幅広く面白い分野です。機械を使うといっても微妙な力加減や角度の違いで仕上げに差が出るので、自分だけの技術を磨くことができます。
また製造業の中では製品の仕上げの段階の作業であることも多く、製品の出来栄えを左右する非常に重要な工程ですので、やりがいのある仕事と言えるでしょう。ものづくりに興味がある人、スキルアップをして手に職つけたい人にはうってつけの仕事ではないでしょうか。
