車好きの人であれば、ロータリーエンジンという名前を1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。ロータリーエンジンはシンプルな構造を生かしたパワフルなエンジンでありながら、振動が少なく静かという特徴があります。
「夢のエンジン」と言われ、国内でも多くの自動車メーカーが注目していました。
この記事では、車好きに根強い人気を誇るロータリーエンジンを開発しているメーカーやレシプロエンジンとの違い、製造工程などについて解説します。
世界でも珍しいロータリーエンジンを製造している国内メーカーは?
日本国内では、広島に本社や生産拠点を構える自動車メーカーマツダだけが実際にロータリーエンジンを製造し、エンジンを搭載した車両を販売していました。
マツダ初のロータリーエンジン搭載車は、1967年に発表されたコスモスポーツです。
1991年には、ロータリーエンジンを搭載したレーシングカー787Bが、日本車として初めて総合優勝を果たすなど、輝かしい歴史を築いたエンジンだといえます。
2002年には唯一のロータリーエンジン搭載車であったRX-7が排出ガス規制不適合により生産停止することが決定されました。
その後、マツダはロータリーエンジンの弱点であった燃費を改善した新型ロータリーエンジンを搭載したRX-8を2003年に発売しています。
残念ながら、2012年にRX-8の生産が終了したと同時に、新車で購入できるロータリーエンジン搭載車は消滅しました。
しかし、マツダは以降もロータリーエンジンの研究開発を続けていると公表しています。
2019年4月時点ではロータリーエンジンを搭載した新車の発売は発表されていませんが、根強いファンの間で復活が期待されています。
ロータリーエンジンとレシプロエンジンの構造はどのように異なる?
ロータリーエンジンと一般的なレシプロエンジンは構造からまったく異なります。
レシプロエンジンが往復動機構であるのに対し、ロータリーエンジンで採用されているのは回転動機構です。
具体的には、レシプロエンジンでは、シリンダー内のピストンの上下運動によって「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」という4つの工程を繰り返し、タイヤを回転させます。
一方、ロータリーエンジンでは、ローターハウジングの中にあるローターの回転によって同様の工程が行われます。
加えて、ローター自体が吸排気バルブやこれを開閉するカムシャフトの役割を担っているので部品も少なくて済み、軽量でシンプルな構造が実現できるというわけです。
ロータリーエンジンの構造が知りたい!メリットやデメリットは?
マツダが採用したロータリーエンジンの元になっているのが、ドイツで開発された「ヴァンケルロータリーエンジン」です。
ヴァンケルロータリーエンジンのローターは三角形のおむすび型をしており、その3つの頂点がローターハウジングの内部で高速回転します。
ローターの中心にはレシプロエンジンのクランクシャフトに相当する「エキセントリックシャフト」という部品があり、ローターの独特な回転を生み出します。
ローターが1回転するとエキセントリックシャフトは3回転するように調整されており、「吸気」「圧縮」「燃焼」「排気」の4つ工程が効率よく行えるという仕組みです。
ロータリーエンジンのメリットは振動が少ないので騒音が抑えられ、独特の回転法により出力がアップすることです。
デメリットは、燃焼室の面積が広いため熱エネルギーの損失が大きく燃費が悪いこと、さらに排気バルブがないことによる排気の問題もあります。
ロータリーエンジンの製造工程にはどんな特徴がある?
ロータリーエンジンはマツダ本社内の工場で生産されていました。
特徴的なのは仕上げにあたる組み立てラインでの工程です。
組み立てラインは製造部門社員による手作業で行われ、フロントローターやリアローターが組み立てられた後、ハウジング部品などが取り付けられていきます。
最終ラインでは、着火テストなどのチェックが1台ずつ目視で行われ、合格したエンジンだけが車のラインへと搬送されるという流れです。
これまで述べたようにロータリーエンジンは搭載される車両も限定されており、ほかのエンジンと比べると1日の生産数も少なめです。
さらに異なる特殊な構造をしているため、製造工程においても人の目でより入念にチェックされています。
車好きで珍しいエンジンの製造にかかわりたいという人は、将来的に機会があればロータリーエンジンの製造現場で働くことを検討してみてはいかがでしょうか。
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