アイスクリームは、老若男女を問わず、あらゆる年代・性別から高い人気を集める食品です。
アイスクリームの工場見学も、人気の高いイベントの一つとして知られているため、アイスクリームがどのように作られているのか気になる人も多いのではないでしょうか。
アイスクリーム製造方法は、工場での求人を探している人にとっても有益な情報です。
そこで、今回は工場が作っているアイスクリームの製造工程について紹介します。
年々増えている!アイスクリーム支出金額の推移
おやつやデザートなどでよく食べられるアイスクリームは、各家庭の冷凍庫に入っているような定番のお菓子です。
実際、アイスクリームの年間消費量は、ここ10年でも増え続けています。
総務省統計局の家計調査によれば、2009~2019年にかけてアイスクリームの年間支出金額は、128.6%の増加です。
2019年には、アイスクリームの年間支出金額は9,701円となり、これは食料費全体の約1%を占める割合になります。
家計全体で見れば、食料費支出金額も2009~2019年で年率0.77%増えてはいますが、同じ期間のアイスクリーム支出金額の成長率は年率2.86%です。
つまり、食糧費支出金額に比べて、アイスクリームの消費量は約3倍のペースで増えていることがわかります。
各メーカーの販売実績も2008~2018年までのデータで年率2.76%増加しており、アイスクリームが各家庭でより親しまれるようになっていることがうかがえるでしょう。
アイスクリームの製造工程その1:混合から溶解~均質化
アイスクリームは、主に乳製品を原料として作られる食品です。
そこに、砂糖や水あめなどの糖類、また安定剤や乳化剤、抹茶やココアなどの風味原料、さらには着色料などを加え、それぞれの配合バランスを決めて混合させます。
これがアイスクリーム製造の第一工程です。
ちなみに、原料は厳しい基準に適合するものだけが使用されるため、食品安全上の問題はありません。
各原料を十分に混ぜつつ、次の工程ではタンクの中で原料を30~70度に加熱して溶かしていきます。
このとき、アイスクリームミックスという原料を溶解することで作られるアイスクリームの素ができあがります。
ただ、この段階でアイスクリームミックスの中には、まだ不純物が含まれている状態です。
そのままでは、おいしいアイスクリームにならないので、次の工程でアイスクリームミックスをろ過して、不純物を取り除きます。
異物や不純物を除去したら、今度はアイスクリームミックスを均質化していく工程に移ります。
このミックスの均質化は、アイスクリームをなめらかにするためや、消化吸収を良くするために重要な工程です。
均質化により、ミックス内の脂肪分も2ミクロン以下に粉砕され、各成分も完全に均一となるため、よりなめらかな口当たりのアイスクリームとなります。
アイスクリームの製造工程その2:殺菌~フリージング
均質化されたアイスクリームミックスは、68度以上に加熱され、30分間の殺菌処理が施されます。
なぜなら、「殺菌処理は68度以上の温度で30分間加熱するか、それと同等の効果のある方法で処理しなければならない」と法令で義務付けられているからです。
殺菌によって原料中に含まれる雑菌を死滅させたら、次は0~5度という低温でアイスクリームミックスを冷やして、そのまましばらくタンク内に貯蔵しておきます。
この工程をエージングといい、これはアイスクリームの質感をなめらかにしたり、形を保つ働きを向上させたりするための工程です。
エージングで一定時間が経過したら、今度はアイスクリームミックスを高速で混ぜながら一気に冷却していきます。
これをフリージングといいます。
アイスクリームミックスを激しく混ぜるのは、ミックス内に空気を混ぜるためです。
空気が混ざることで、アイスクリームはよりやわらかくなり、口当たりも良くなります。
このように、空気を混ぜることで食感や口当たりに良い影響を与えることをオーバーランといいます。
フリージングでは、高速で混ぜると同時に急速に冷却してミックスを一気に凍結させなければなりません。
凍結速度が速いほど、ミックスに含まれる水分は細かく結晶化します。
この微細な氷の結晶が、アイスクリームのなめらかさや口当たりを決める要素となるのです。
そのため、フリージングはアイスクリームの製造工程の中で最も重要な工程ともいわれています。
アイスクリームの製造工程その3:充てん~硬化
フリージングされたアイスクリームは、フリーザーから出された後、カップやコーンなどの容器に詰めていきます。
これが充てんの工程です。
ただし、この段階ではまだ製品として完成してはいません。
容器に充てんされたアイスクリームは、まだ水分の50~60%しか凍っておらず、完全な状態ではないのです。
そのため、マイナス30度以下の超低温冷凍室に入れることによって、アイスクリーム内の水分をしっかり凍結させます。
この工程を硬化といいます。
アイスクリームを硬化させることによって、製品の形状が安定し、保管や輸送も問題なくできるようになるのです。
アイスクリームの製造工程その4:検査、保管、そして出荷へ
硬化によって完全な形となったアイスクリームは、最後に「製品に不備がないか」を確かめるため検査が行われます。
製品の検査では、不良品が含まれていないかはもちろん、製品の品質まで検査され、「有害物や微生物の混入がないかどうか」まで調べられます。
もちろん、これまでの行程中も、不良品が生じれば除外されますし、品質の検査によって有害物や微生物の混入が発見されれば、ラインから取り除かれるのが通常の流れです。
最後に行われる検査は、アイスクリームの品質を保つために法令で定められている重要な工程になります。
「製品に不備がないか」について、改めてチェックすることが目的です。
最終検査で問題なしとされたアイスクリームは、マイナス25度以下の冷凍室に保管され、出荷されるのを待ちます。
出荷時には、マイナス18度以下の冷凍車に移され、各地に配送されてようやく消費者の手に届くことになるのです。
実はそこまで寒くない!?アイスクリーム工場の環境
アイスクリームは、マイナス30度以下で凍結されたり、マイナス25度以下の冷凍室で保管されたりするなど、かなり温度の低い環境で製造されます。
そのため、アイスクリーム工場で勤務する場合、「かなり寒い環境で働くことになるのではないか」と不安な人もいるのではないでしょうか。
しかし、実際のアイスクリーム工場は、室内が適温に保たれているため、そこまで寒さを感じるようなことはないでしょう。
むしろ、工場スタッフは必ず防護服を着て作業しますし、ハードワークではないものの適度に体を動かして作業することになるため、寒いというより暑さを感じることのほうが多いかもしれません。
もちろん、工場内はアイスクリームの品質を管理するため、他の工場内よりは設定温度が低めであることは確かです。
また、アイスクリーム工場の仕事内容は、基本的にラインに流れてくる製品に副原料を補充したり、フタやスティックを充てんしたりする作業が中心となります。
その際、扱う商品自体は冷たいアイスクリームですから、手元はどうしても冷えてしまいがちです。
検品や箱詰め作業でも手先が冷えやすいので、「もともと寒さが苦手」という人は対策が必要かもしれません。
とはいえ、夏場は涼しい環境で仕事ができる点は大きなメリットです。
夏は、アイスクリームの需要が高まる季節のため、工場の求人が多くなる時期でもあります。
必要な資格もないので、アイスクリーム工場は誰もが始めやすい仕事だといえるでしょう。
デザートの定番!アイスクリーム工場で働いてみよう
アイスクリームは、デザートの定番のため、「食後には必ず食べる」という人もいるのではないでしょうか。
小腹がすいたときや、おやつとして食べることも多く一番好きなお菓子にアイスクリームを上げる人も少なくありません。
アイスクリームが好きな人ならアイスクリームの工場は、まさに打ってつけの職場になるでしょう。
工場の求人を探しているなら、ぜひアイスクリーム工場も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
