皆さんは生産工場と聞けばどのような場所を思い浮かべるでしょうか?薄暗いところで人が並んで作業している、そのような光景を思い浮かべる人もいるでしょう。
しかし、そのイメージは最早過去のモノと言って差し支えはありません。今、産業用ロボットの進化によって生産工場は劇的な進化を遂げています。集中力を 必要とする大変な手作業は全て機械で行われ、我々人間はそのチェックをするといったことが現在の生産工場では行われているのです。
今回はそんな現代の生産工場についてご紹介します。
設備からパートナーへ、産業用ロボットの今
生産工場における産業用ロボットと言えば大型アームによる火花を飛ばしながらの溶接や、高速での部品挿入作業など、その働きは自動化生産ラインの一部という印象が強く、人と並んで一緒に働くというイメージはありませんでした。
しかし、ここ数年でロボットを人間と同じように製造ラインに配置して、人とロボットが協調し合い、並んで作業を行うという新たな生産方式に変わってきています。従来の大型アームだけのロボットではなく、カメラによる画像認識と両手がワンセットになって人間顔負けに働く姿。それこそが現在における生産用ロボットの姿なのです。
このような進化によって作業の多くをロボットに任せることができるようになっていますが、きめ細かくフォローする人間が一緒にいるからこそ、改善することができたり、さらなる生産効率のアップを探れたりするものです。このようにロボットと人間は同じ現場で働く仲間になってきています。
具体的にロボットが活躍できる場所って?ものづくりの現場における産業用ロボットの活躍
産業用ロボットの進化に伴い、ものづくりの現場では部品の搬送、溶接、組み立て、製品検査など規則性のある作業において、そのほとんどはロボットによる自動化が行われています。一方でランダムに並んだ部品の取り出しや投入については人間の手による作業が主流になっています。
中でも広島県立総合研究所が中心になり、開発に取り組んでいるのが「ランダムピッキングロボットシステム」です。部品の位置や姿勢を正確に判別できる画像処理技術(目)、適切に取り出すためのロボットハンド(腕)、そして全体をコントロールするロボット制御技術(脳)などを確立し、且つ低コストで導入できるよう安価なシステムの実現を目指しています。
このように日々進化を遂げていく産業用ロボットと一緒の現場において、人の役割は常に変わっていき、やがて肉体労働のイメージが強かった工場勤務の実態も変わっていくことでしょう。
人と産業用ロボットの関係が深まったきっかけは?「80W規制の緩和」について
人と産業用ロボット、その関係性がより深まるきっかけになったのが「80W規制の緩和」です。
従来は国内においてロボットの最大出力が「80W以下」であれば柵でロボットを囲わずとも人間との協業が可能でしたが、「80Wを越える」場合は柵で囲い、人間の作業スペースから隔離する必要がありました。
しかし、これが規制緩和によって「ロボットメーカー、ユーザーが国際標準化機構の定める産業用ロボットの規格に準じた措置を講じる」といった条件を満たせば、80W以上でも協業が可能になったのです。
柔軟なライン構築やスペースの有効活用など多くの効果が期待されており、この背景によって人間とロボットの共同活動が実現していきました。
産業用ロボットのみならずロボットの未来はどうなっていく?
劇的に進化を遂げている産業用ロボットはものづくりの現場で活躍したり、社会インフラの維持に役立ったり、介護や医療などでもその活動を期待されたり、と多くの効果が見込まれています。また近年においては人工知能の発達によりその活躍の場が広がっていくことが予想されることから、より一層の活躍が期待されています。今後は「ロボット」という概念は一緒でも、活躍する領域ごとに異なる発展を遂げていくと考えられます。
この発展に伴い多くの生産工場における現場でも、産業用ロボットを導入しようとする動きが見られ、人間の活躍の場は肉体労働からそのフォローへと移っていくことでしょう。そんな中、生産工場で働く人の待遇や雇用形態にも変化が生じる可能性があります。ロボットと共に働くことで、より雇用が広がることも期待できます。
どうでしょう、皆さまも生産工場の現場にてこの「近代の波」を感じてみてはいかがでしょうか。きっとやりがいと発見に満ちた、雇用になり得るでしょう。
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