最近、主にバスやトラックなどの業務用の車両に「デジタコ搭載車」というステッカーが貼られていることが多くなりました。これは、交通事故防止に導入されることが多くなったドライブレコーダーと同様に記録装置の1つで、正式にはタコグラフという名称があります。
では、タコグラフが何のために業務用の車両に搭載されているのかについて、詳しく紹介します。
タコグラフは記録装置?何のための記録なの?
タコグラフとは、ドライバー間では「タコ」と略称で呼ばれている運転記録計(tachograph)のことです。
車に貼られているステッカーには海を泳ぐタコのイラストがあしらわれていることもありますが、実際には海のタコとは全く関係はありません。
1962年に路線トラックなどで設置が義務づけられたことから始まり、現在タクシーやバス、トラックなどの業務用の車両で利用されることが多くなっています。
ドライブレコーダーは交通事故を防止する役割を持っていますが、タコグラフはドライバーの安全を管理する目的で使用されます。
速度やエンジンの回転数、走行距離などをグラフ化して記録しており、速度や連続して運転した時間などを管理して、ドライバーの運転や勤務の状況を把握することに役立つのです。
もちろん、ドライブレコーダーと同様に交通事故が起きてしまった場合には、事故の分析に利用されることもあります。
デジタルタコグラフとアナログタコグラフがあるけど、その違いとは?
タコグラフには、デジタル式のものとアナログ式のものとがあり、それぞれデジタコ、アナタコと呼ばれています。
従来から存在するアナタコは、速度計の裏側に円形のチャート紙をセットして、速度や距離、エンジンの回転数に連動した針が、まるでレコードのように記録をするというものです。
現在でもアナタコは利用されていますが、時代の流れとともにデジタル式のデジタコに移行していきました。
デジタコは、記録するデータをメモリーカードなどのメディアに記録します。
アナタコでは記録できなかったさまざまな情報も記録することが可能となりました。
業務終了後にそのデータを運行記録としてチャート紙にプリントアウトすることができ、それをそのまま日報とすることができます。
アナタコのチャート紙の情報を解析するのは、経験のない素人にはなかなか難しいものでしたが、デジタコのデータは情報の解析が簡単に行えるようになっています。
また、アナタコを利用していると日報は業務終了後に手書きで別に作成する必要がありましたが、デジタコの場合はデータを利用して自動的に日報を作成することができ、業務が効率化できるなど、メリットが多々あるのです。

タコグラフの設置は義務とされている?
国土交通省により、タコグラフの装着義務付け対象は拡大されつつあります。
トラックに関しては従来から、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の事業用トラックに装着が義務づけられていましたが、平成26年12月1日、さらに車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上の事業用トラックにも装着が義務化されました。
平成29年4月1日からは、対象の車両全てに装着が義務づけられることとなります。
デジタコが普及し一般的になってきているものの、装着はアナログ式・デジタル式を問いません。
装着は完全に義務化されているわけではありませんが、デジタコのメリットが大きいことと時代の流れを反映して、全車両に設置している業者も多くなっています。
デジタコの導入には非常にコストがかかることから、中小・零細業者にとっては敷居の高いものではありますが、国土交通省からの助成金や補助金の対象となっている機種もあります。
安全な運転や業務管理のため、今後も普及は進んでいくことでしょう。
将来的に、デジタコはさらに進化する?
デジタコの記録媒体としてはメモリーカードなどが利用されていますが、そのデータを読み取ることで、ドライバーが法廷速度を守っているか、どの程度の休憩時間を取ったか、行き過ぎた長時間運転をしていないか、などということが簡単に把握できます。
記録できる情報も、GPSの位置情報、急加速・急減速、エンジンの回転数やアイドリング、ドアの開閉までのデータが得られるのです。
このことから、ドライバーがあまりにも監視されているように感じストレスを感じてしまうなどのデメリットもあります。
それも逆にいえば、全てが正確に記録されてしまうだけにドライバーの意識が高まり、安全に注意しながら運転するようになるというメリットでもあるのです。
デジタコの普及により、労働環境の把握、安全運転指導に役立つなど、多くのメリットが得られています。
将来的には、国土交通省はデジタコがさらに進化を遂げたスマートタコグラフを普及させることを目標としています。
クラウドを利用して蓄積されたデータからドライバーの運転特性を把握し、事故を起こしそうな場面でリアルタイムにアラートを出したり、緊急時に自動ブレーキを作動させたりも、もう遠い未来の話ではないのです。
自然と安全運転を心がけ、事故のない未来へ
痛ましい交通事故は決してなくなることはありませんが、ドライブレコーダーやデジタコの普及によって、多くの恩恵を得られるようになりました。
既に起こってしまった事故から反省を得てリスクに対する対処を考えたり、ドライバーの安全に対する意識も高まってきているのです。
これまでに築かれてきた技術によって、事故のリスクを削減することができる未来があるなら、これほど素晴らしいことはないでしょう。
▼他の記事をチェックしたい方はこちら!
トラックの走行可能な距離はどれくらい?
ドライバー必見! 大型トラック走行時に運転手が気を付ける注意点
ドライバー業界の運行管理者の職種紹介
