一定の数以上の車両を運用している運送業者は営業所ごとに「運行管理者」という国家資格者を設置することが義務づけられています。運行管理者とは、運送業などでのドライバーの安全運行を管理するスペシャリストです。
運送業を始める場合には許認可の要件にもなっているので、運送会社に勤めている方にとっては需要の高い資格で、取得すると運送会社などでは有用な人材として重用され、給料に特別な手当がつく場合もあります。
☆運行管理者の仕事紹介
運行管理者の主な業務は、事業用自動車のドライバーの乗務割の作成すること、休憩・睡眠施設の保守管理をすること、ドライバーの指導監督と点呼によるドライバーの疲労・健康状態等の把握や安全運行の指示をすることなどです。事業用自動車の運行の安全を確保するために法律に基づいて業務を行わなければなりません。
特にドライバーの安全のために必要な情報(ルートや気象に関する情報)を提供することや、点呼の際の飲酒の呼気検査の実施、乗務記録や運行記録計(いわゆるタコメーター)の管理などは、運行管理者に課された重要な業務で、ドライバーが事故を起こした場合は真っ先に責任を問われる責任の重い仕事です。こうした安全運行に関する記録はしっかり記録・保管しておく必要があり、不定期で行われる安全運行管理に関する運輸局の検査に引っかかると運送事業の停止などのペナルティーを課されることもあります。
昨今はコスト削減や規制緩和の流れから、運送業の安全管理に問題ある事業者による交通事故が社会問題化しているので、今後はますます社会的にも必要とされるであろう国家資格のひとつです。
☆運行管理者になるには
運行管理者になるには主に2つの方法があります。1つ目は国家試験に合格する方法。もう1つは運行管理補助者としての実務経験が5年以上あって講習を5回以上修了している場合に試験なしで資格を取得する方法です。
後者の場合は試験を受けなくても資格者となれますが、運行管理に関する実務経験を5年以上積んだうえで、その業務経験を自分で証明しなければなりませんので、実際にはかなりハードルが高いです。通常は国家試験を受験して資格を取得することになります。受験資格は、運行管理に関する実務経験が1年以上あること、もしくは国土交通大臣が認定する「基礎講習」を修了したことで得られます。
したがって運行管理に関して全くの未経験であっても、全国で行われる「基礎講習」を受講して講習を修了すれば受験資格を得られることになります。運行管理者の国家試験は3月と10月の年2回実施され、合格率は約20%前後となかなかの難関です。試験は「貨物」と「旅客」の2種類があるので、所属する運送会社の業務の種類によってどちらかの科目を選択して受験しましょう。この試験に合格すると「運行管理資格者証」が交付され、「運行管理者」として選任されることになります。
☆運行管理者の平均給料
運行管理者は国家資格ではありますが、独立開業できる資格ではありませんので、物流会社や運送会社に所属しながら資格を取得して仕事をする場合がほとんどです。
したがって運送会社の従業員としての給料に資格者手当がつく場合もあるといった状態が、実際の運行管理者の給料形態です。大手の運送会社で運行管理者を任されている人材ならば年収500~800万円といったところですが、これはもちろん大手の運送会社で長年キャリアを積み上げて配車を任されている人の年収ですから、運行管理者としてというより会社内での地位に応じた給料額と考えましょう。
中規模や零細の運送会社などでは資格者手当がつかない場合も多いので、運行管理者の資格を取得して急に給料が上がるという事はあまりありません。しかし会社にとって重要な職務を任せられる人材として評価されるので、将来的には会社内での地位が上がっていく可能性は高くなります。
☆運行管理者の勤務形態
運行管理者の勤務形態は所属する会社の営業時間や事業のやり方によって変わってきます。ドライバーの業務開始前に必ず点呼や呼気検査などを行わなければなりませんから、たとえば深夜営業のタクシー会社や運送会社の場合は夜に出勤しなければならない場合もあります。
基本的に会社の業務時間の少し前に出勤し、ドライバーが帰ってきてからも保守点検の作業などで会社に残らなければならないので、会社の事業責任者や配車担当の従業員などが運行管理者として業務を行うことが多いです。事業所や営業所に常駐してドライバーの安全管理に関する検査や事務処理を行うのが主な業務になります。
