ドライバー記事

トラックドライバーも意識しておきたい積載率とは何か?積載率を向上させるポイントとは


柔軟でスピーディーな運搬が求められる日本の物流で主役といえるのがトラック輸送、そしてトラックドライバーです。

旺盛な輸送需要を背景に求人倍率が高まり、好条件を提示する会社も増えています。

そんななか、積載率を高めて効率的な輸送を実現しようとする試みも活発になっています。

この記事では転職先を探しているトラックドライバーにも役立つ積載率の基礎知識、積載率を高めるポイント、企業の取り組みなどを解説します。
  




効率的な運送を示す指標「積載率」




トラックドライバーにとって、いかに効率的な運送ができるかということは、プロとして日々意識する課題ではないでしょうか。
  
積載率は運送の効率を示す指標のひとつで「トラックの最大積載量に対する荷物の割合」を意味します。
  
つまり、最大積載量限界まで荷物を積んでいれば100%、逆に荷物が全くないなら0%です。
  
運送業では荷物を卸して帰ってくることが多いため、積載率を示すときは往復の平均で計算するのが一般的です。
  
つまり、先ほどの例では「100%(行き)+0%(帰り)÷2=50%」になります。
  






積載率を計算してみよう




積載率の計算式は「積載率(%)=積載重量÷最大積載重量×100」です。
  
たとえば、行きの積載重量が2トン、最大積載量が4トンなら「積載率(%)=2÷4×100=50%」となります。
  
先に紹介したように、積載率は行きと帰りで平均するのが一般的です。
  
もし、届け先で荷物を1トン降ろしたなら、帰りの積載率は「積載率(%)=1÷4×100=25%」となります。
  
したがって、行きと帰りの平均積載率は「(50%+25%)÷2=37.5%」です。
  
複数の箇所で積み降ろしをしているドライバーも多いのではないでしょうか。
  
この場合、それぞれの場所で積載率を計算して平均を取ることもあります。
  
このように計算したほうが、そのトラックの積載率の実態を正確に表せるからです。
  






トラックの積載率は年々減少!その理由とは




日本におけるトラックの積載率の平均は約40%です。
  
実は日本におけるトラックの積載率は年々減少している傾向にあります。
  
国土交通省の調査によると、1990年の積載率は55%ほどでした。
  
その後ジリジリと減少を続け、2009年に大きく下がり40%を割ります。
  
その後はまた横ばいになっていますが、さらにジリジリと下がり続けているともいえる状況です。
  
なぜ、積載率が下がってしまったのでしょうか。
  


理由の1つ目は、ネットショッピングの普及によって物流が増え「多頻度少量輸送」が多くなったことです。
  
このような業務は配達時間指定など客のニーズが分散しやすく、どうしても荷物が少なくなってしまいます。
  
2つ目の理由は、少子高齢化社会が急激に進み、人口が減少したエリアに運送した場合、どうしても積載率が下がってしまうことです。
  
3つ目はドライバーの高齢化です。
  
肉体的な負担などを考えると荷物の量を減らさなければならないため、積載率低下の一因になっているといわれています。
  
今以上にドライバーの高齢化が進めば、さらに大きな問題になってしまうでしょう。
  






積載率を高めるためにどうしたらいいのか




積載率を高めるポイントは「積載率の平準化」「スマートな運行管理」「荷主との協力体制の強化」の3つと言われています。
  


#積載率の平準化
積載率の平準化とは、仕事を均等に配分することです。
  
たとえば、平均よりも多くの生産性を持つ積載率80%のトラックドライバーがいたとしても、他の多くのドライバーの積載率が20%では意味がありません。
  
会社全体で積載率を上げる努力をしたほうが、特定の人に負担がかからず業務を効率化できるでしょう。
  
上手に業務を分担すれば、高齢の人や女性、短時間労働を希望するドライバーなど多くの人が働きやすくなり、労働力確保にも役立つはずです。
  
結果的に、積載率低下の一因になっているトラックドライバーの高齢化問題の対策にもなります。
  


#スマートな運行管理
スマートな運行管理とは、主にIT技術を活用して、運送前に情報を共有化したり業務の一部を自動化したりすることです。
  
最適な積み荷の量やドライバーへの運送の割り当てができれば積載率アップを見込めるため、新たなシステムを導入する会社も増えてきています。
  
また、荷主から急な依頼があったときなどは、GPSなどを用いた運送管理システムを用い、最も近くにいて荷物を積めるトラックを探すなども可能です。
  
この場合、少量の荷物を運送するために会社から空のトラックを配車するよりも積載率を高めることができます。
  


#荷主との協力体制の強化
荷主との協力体制の強化も重要です。
  
荷主と運送業者などを大規模なシステムでつなぎ、同業者間の共同配送や異業種間の共同配送を進めることで積載率を高める試みなどが行われています。
  
これは、積載率アップだけでなく、輸送回数の減少やトラックドライバーの負担軽減にもつながると期待されています。
  
もちろん、荷主と交渉して納品時期を見直してもらう、定曜日配達を認めてもらう、など地道な交渉も欠かせません。
  
これを実現するには、消費者が便利さやスピードを求めすぎない姿勢も必要になるでしょう。
  






積載率向上の切り札!配送管理システムの事例を紹介




積載率向上は会社規模の取り組みがないとなかなか実現できません。
  
従業員として、もどかしく感じている人もいるでしょう。
  
しかし、ドライバーには会社を選ぶ自由があります。
  
積載率向上のカギを握るのは配送管理システムなので、転職先を検討する際にはどのようなシステムを導入しているかチェックしてはどうでしょうか。
  
ここでは配送管理システムの事例を紹介します。
  


#インターネットで最適マッチング!求荷求車システム
求荷求車システムとは、インターネットの情報システム上で荷主と車両(運送会社など)のマッチングするシステムです。
  
運送業者などは事前に会社情報や輸送できる品目、積載トン数などを登録しておき、荷主も同じように情報を登録します。
  
荷主が運送を依頼したいときは、多くの登録業者のなかから条件にマッチした車両を選びます。
  
運送効率が最もよいと考える業者・車両が選ばれることが多いため、結果として積載率が高まるのです。
  
もちろん双方で条件交渉をするので、車両側も積載率が低くなる案件はなるべく受注しないでしょう。
  
求荷求車システムは積載率の向上が見込めるため、日本の物流を効率的にしているともいえます。
  


#エリア内の個人配達は1社だけ!宅配便の一括配送
ネットショッピングの普及により個人への配達量が急増しています。
  
こうした背景から、宅配便の一括配送システムを導入した大手の運輸業者も出始めました。
  
このシステムの特徴は、各配達業者のトラックがエリアごとに設けられた中継地点まで運ぶことです。
  
各社の運送は中継地点まででよいので積載率が落ちる区間を減らせるというメリットがあります。
  
また、大手運輸業者はエリアの荷物を一括で集めて配達するため、積載率がアップします。
  






運送効率アップには積載率に加えて空車率・実車率・稼働率も重要!




運送効率を決めるのは、積載率だけではありません。
  
積載率に加え空車率・実車率・稼働率を高めることが重要です。
  
積載率と合わせたこれら4要素は、トラック運送の生産性向上のKPI(評価指標)と呼ばれています。
  
空車率(距離当たりの実車率)はなにも荷物を積んでいない状態をいいます。
  
これを減らすには共同配送に取り組み、帰り荷を確保することが重要です。
  
また、時間当たりの実車率を高めるには荷待ち時間の軽減や積卸専門スタッフの配置などが望まれます。
  
稼働率を高めるには、先述した求荷求車システムへの登録や中継輸送によって長距離トラックドライバーを少なくするなどの対策が考えられます。
  
運送効率アップをするには、積載率だけではなく空車率・実車率・稼働率を含めた総合的な対策が重要なのです。
  






積載率を意識することはトラックドライバーの仕事にも役立つ




積載率は運送効率に影響を与えます。
  
計算方法や日本における積載率の現状を知っておくことは、トラックドライバーの仕事にも役立つことでしょう。
  
積載率向上のためにIT技術を活用した配送管理システムなどを導入する会社も増えつつあります。
  
このような会社は業務効率化やトラックドライバーの労働環境改善に積極的に取り組んでいることが少なくありません。
  
転職先を探している人はこうした面にも注目してはどうでしょうか。
  


  
  
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