警備員は仕事を始めるにあたって何か特別な資格が必要とされるわけではありません。
しかし、一部の警備業務には資格が求められる場合もありますし、資格を取得している警備員は収入面や待遇面でも優遇される傾向にあります。
未経験者に優しいのが警備員の魅力ではありますが、より好条件で働きたいなら資格取得を目指すのもひとつの手です。
そこで今回は、警備員の資格について、その種類やメリットなどを詳しく解説します。
警備員の資格取得は珍しいことではない?資格取得者の状況
警備員は基本的に資格が必要ない仕事です。
仕事を始めるにあたっては、事前研修を受けるだけで良く、初心者でも未経験者でも始めやすい仕事です。
しかし、実は警備業界において、資格の取得は決して珍しいことではありません。
警備員には、警備業務検定という資格があります。
この資格は全6種類、それぞれ1級と2級に分かれている国家資格です。
実は全国の警備員の中で、警備業務検定の資格を所有している数は2019年時点で159,844人おり、この数は全体の28%にのぼります。
つまり、全警備員のおよそ3分の1が、いずれかの警備業務検定を取得しているということです。
また、警備員が取得できる資格には、警備業務検定のほかにも、「警備指導教育責任者」や「機械警備業務管理者」などがあります。
警備指導教育責任者の資格は、警備員に対して指導や教育ができるようになる資格で、取得条件を満たすのに最低3年以上の業務経験が必要な難関資格のひとつです。
警備業務には1号から4号まで4種類の業務内容があり、警備指導教育責任者の資格も1号から4号まで4つの種類に分けられています。
この資格の取得者は、2019年で63,585人、つまり全体の11%の警備員が警備指導教育責任者の資格を保有している計算です。
警備員の仕事は、資格を持っていなければ就けないものもあります。
資格取得は一種のキャリアアップの方法でもあるため、警備員になってから資格取得を目指す人も決して少なくないのです。
全6種類!警備業務検定とは
警備業務検定は最も一般的な警備員の資格です。
警備業法で定められた国家資格であり、特定の警備業務に就く際はいずれかの警備業務検定資格を所有している必要があります。
「いずれかの」というのは、警備業務検定には6つの種類があるためです。
すなわち、「施設警備業務検定」「交通誘導警備業務検定」「雑踏警備業務検定」「貴重品運搬警備業務検定」「核燃料輸送警備業務検定」「空港保安警備業務検定」の6種類です。
いずれの検定にも1級と2級があります。
施設警備業務検定は、主にオフィスビルやショッピングセンターなどの施設で働く警備員に関わる資格です。
施設警備は、盗難や火災の防止、不審人物の発見など、施設内の安全を守るのが主な役割です。
施設警備業務検定は、そうした施設警備の業務を適切に遂行するのに役立ちます。
2級の試験なら、18歳以上は誰でも受験でき、警備員として働いたことがなくても問題ありません。
交通誘導警備業務検定は、主に工事現場や人の往来が激しい場所での警備業務に関する資格です。
事故の発生を未然に防ぎ、交通や歩行の安全を守るのが交通誘導警備の役割です。
この検定では、工事現場などで事故を防止するためにはどうすれば良いかといった知識が問われます。
2級の検定なら受験資格はありません。
雑踏警備業務検定は、花火大会やコンサート会場といった場所で人を誘導する警備業務に関する資格です。
雑踏警備と呼ばれる警備業務は、資格がなくても従事できますが、この検定資格を取得していれば雑踏の整理に関する専門的な知識を得られます。
貴重品運搬警備業務検定は、金品などの貴重品を運搬している車両を警備する際に必要な資格です。
貴重品運搬警備にあたる警備員は、この資格を取得している者が最低1人は現場にいなければなりません。
ATMの普及によって現金輸送の機会が増えているため、貴重品運搬警備は警備業の中でも重要な業務となっています。
核燃料輸送警備業務検定は、核燃料を輸送する車両警備に関する資格です。
核燃料物質の運搬には危険が伴ううえ、盗難にも備えなければなりません。
核燃料運搬警備業務検定は、危険物の取扱や事故の警戒、盗難の防止に関する知識を問う検定です。
空港保安警備業務検定は、空港施設で航空機の強奪といった事故や事件を防ぐ警備業務の資格です。
主にハイジャックを警戒し、未然に防止するのが空港保安警備の役割で、この警備業務に就くために空港保安警備業務検定が必要とされます。
検定では、主に航空機に持ち込まれる荷物検査に関わる知識が問われます。
資格を持っているだけで仕事の幅は大きく広がる
警備業務検定の取得は、警備員になるための必須条件ではありません。
雑踏警備や交通誘導警備などは、資格を持っていない人でも仕事に就けます。
しかし、資格を持っていれば、仕事の幅が大きく広がることは確かです。
たとえば、警備初心者がまず仕事に就くことが多い交通誘導警備では、交通誘導警備業務検定の資格取得者を必ず一人は配置しなければいけない現場もあります。
つまり、この検定資格を持っていれば、担当できる現場が増えるので、より好待遇の業務に携われるチャンスが広がるのです。
また、雑踏警備業務検定は、1級資格を取得していると、警備計画の策定や顧客との折衝なども任せてもらえるようになります。
管理職に近い仕事内容となるため、警備員としてだけではない業務の幅も広がります。
このように、警備業務検定の取得は、警備員としてのキャリアアップのひとつです。
施設警備業務検定を持っていれば、工事現場やイベント現場だけではなく、オフィスビルや商業施設などで働くチャンスが広がりますし、航空保安警備業務検定の取得者は空港施設でも働けるようになります。
特に貴重品運搬警備業務検定や核燃料警備業務検定などは、そもそも業務に就く際に取得が義務付けられている検定です。
資格を取得しておけば仕事の幅は間違いなく広がるので、警備員としてステップアップしたいなら資格の取得を目指すべきでしょう。
資格取得は収入にも影響を与える
警備員として仕事の幅が広がれば、高収入で働くチャンスも自然と増えるものです。
特に雑踏警備や貴重品運搬警備など、現場に必ず資格取得者が一人いないといけないような警備業務では、資格保有の警備員は他の警備員より好待遇で迎えられます。
警備会社によっては、資格取得者に特別な手当を支給している場合も多いため、収入面で見ても資格取得のメリットは大きいのです。
また、核燃料輸送警備業務検定や空港保安警備業務検定などは、そもそも保有者が少ない検定です。
しかし、資格保有者が少ないからこそ、むしろチャンスが大きく広がっているともいえます。
実際、これらの資格の保有者は実際の現場でも非常に重宝されます。
なぜなら、核燃料の輸送にも、また空港施設にも、検定資格を有した警備員が必要だからです。
検定資格を保有していれば、それは自分が貴重かつ優秀な警備員だということの証明になります。
管理職などへのステップアップも早く実現できる可能性があり、年収アップのチャンスもより大きく広がるのです。
警備業務検定だけではない!警備員が取っておきたい資格とは
警備業務検定と並び、警備指導教育責任者の資格もメリットの大きい資格です。
警備指導教育責任者は、主に警備会社の管理職になるために必要な資格です。
この資格を持っていれば、新人の警備員に対して指導や教育ができるようになるので、警備員のキャリアアップに必須の資格だとされています。
警備指導教育責任者の資格保有者は、主に警備員の育成や教育にあたる立場となるので、現場で警備業務に就く機会は少なくなります。
警備の現場は多かれ少なかれ体力を要する側面がありますが、主に後進の育成にあたる指導教育責任者の仕事は、書類の作成といった座り仕事が中心です。
そこまで体力を必要とするわけではないので、警備指導教育責任者の資格を持っていれば、年齢関係なく警備員を続けられるというメリットもあります。
資格を取得するなら警備員になった後がおすすめ
警備関係の資格を取得するためには、具体的に2つの方法があります。
まず、個人で応募して取得する方法です。
警備会社に就職するつもりなら、その前に資格を取得しておけば就職活動を有利に進められます。
しかし、個人で応募することになれば、勉強も独学でしなければいけませんし、検定費用も自分で用意しなければなりません。
また、不合格になった場合の救済措置もなく、合格するまで何度も受験する必要があります。
資格を取得するもうひとつの方法は、警備会社に入ってから試験を受ける方法です。
会社によっては、資格取得のサポート体制が充実しており、むしろ会社のほうから積極的に資格取得を促してくれるケースもあります。
その場合、受検費用や教材費用の会社負担はもちろん、面倒な手続きなども会社側が代行してくれます。
検定試験のための特別講習を受けられる会社もあるので、個人で受検するより合格率も高めです。
このように、警備員の資格取得を目指すなら、警備会社に入った後に対策したほうが効率的です。
警備員としてのステップアップのためにも、検定資格は取っておいて損はありません。
将来を考えるなら、求人を探す段階からサポート体制の充実した警備会社に狙いを絞るなどして、しっかり対策を取っておきましょう。
資格は警備員のキャリアアップ!サポート体制の充実した求人を選ぼう
警備員は、資格がなくても始められるところが魅力のひとつです。
しかし、警備員を続けるうえでは、資格の取得が非常に大きな意味を持ちます。
警備員としてキャリアアップしたい、また収入アップを目指したいというなら、資格の取得を目指さない手はありません。
資格取得には会社のサポートも重要ですから、警備員として働くことを考えるなら、求人情報をしっかり精査してサポート体制の充実した会社を選びましょう。
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