悪質なあおり運転による交通事故は年々増加傾向にあります。
こういった状況を受けて、あおり運転に対する厳罰化を盛り込んだ道路交通法の改正案が閣議決定されました。
改正案では「あおり運転罪」が新設され、違反者には懲役刑や免許取り消しといった厳しい処置がとられます。
今回は、あおり運転に該当する危険な運転や、新たに作られた罰則ついて解説します。
あおり運転に該当するNG行動とは
あおり運転とみなされる運転には、前方の車に激しく接近して速く走るように挑発する、クラクションを鳴らし続けてプレッシャーをかける、交通を妨げる目的でハイビームを照らすといったような「後方からの挑発行為」が挙げられます。
さらに、横から車体を異常に接近させる幅寄せ行為や、危険な車線変更、左側から追い越す、前に回って急ブレーキを踏むといった行動も該当します。
他にも、進路を譲るように強制する、相手の車両を執拗に追い回す、窓を開けて暴言を吐くなどの迷惑行動も含まれます。
いずれも重大な人身事故につながりかねない、非常に危険な行為です。
あおり運転の検挙数は、取り締まり強化で増加
2019年に警視庁が発表した、あおり運転となる「車間距離不保持」の検挙数は1万3797件でした。
前年の1万3025件から16.9%もの増加です。
このうち90%近くが、高速道路上の摘発が占めています。
警察が取り締まりを強化しているとはいえ、この数値をみればあおり運転が社会的問題であることがわかります。
あおり運転の厳罰化。
懲役刑や免許取り消しへ
道路法改正により、あおり運転(妨害運転)に対しては厳しい罰則案が盛り込まれました。
例えば、通行妨害を目的に車間距離を詰める、前方で急ブレーキを踏む、無理な割込み、高速道路で停車をした場合は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
さらに、それらの行為で衝突事故が発生した場合や、高速道路で他の車を停止させる事態になれば、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」が科せられます。
違反したドライバーは、1回の摘発で免許取り消し処分となります。
これまでも、あおり運転に関しては道路交通法違反(3か月以下の懲役または5万円以下の罰金)や暴行罪(2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留)が適用されてきました。
しかし改正後は、これらの罰則よりもさらに重い量刑が科せられることになっています。
あおり運転の加害者にも被害者にもならないために、守ること4カ条
あおり運転の加害者や被害者になる可能性は、一般自動車だけでなくトラックドライバーも同様です。
車体の大きいトラックの場合は、一般自動車以上に甚大な事故につながりかねません。
あおり運転で摘発されたり、もめごとや事故を起こしたりしないように次の4点を心がけましょう。
第一に、車間距離は十分にとること。
前方の車両に近づきすぎないよう気をつけてください。
短い車間距離は相手にプレッシャーを与え、知らないうちにあおり運転の加害者になってしまうことがあります。
逆に、イラついた相手から煽られる危険性も発生します。
第二に、急発進や急ブレーキをかけないこと。
これは、後続車との衝突事故の原因にもなるので十分に注意してください。
第三に、ゆっくりと運転したい時は後続車に道を譲ること。
低速で運転し続けていると、イライラした後続車にあおられる可能性も出てきます。
最後に、ドライブレコーダーを取りつけること。
ドライブレコーダーの記録は、事故や事件での重要な証拠です。
あおり運転のほかにも、犯罪行為の立証や賠償金請求の際にも役立ちますので、ぜひ搭載しておきましょう。
あおり運手をしない・させないために
あおり運転をするのはもっての外ですが、同時に被害者にもならないよう適正な運転をしてください。
追い越しができない道で低速で走り続けたり、不用意にブレーキを何度も踏んだりといった行為は、後続車にストレスがかかりあおられる要因となります。
しっかりと法定速度を守り、相手への思いやりをもった運転を心がけましょう。
万一あおり運転に遭った時は、ドライブレコーダーで記録をとり、速やかに警察へ連絡してください。
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