運送業界は介護業界やIT業界に並び、人手不足が深刻な業界の一つです。
さらに、ドライバーの高齢化も進みつつあり、若い人材の確保が重要な課題となりつつあります。しかし、若い世代のドライバーを育てるためには、まず早期退職を防がなければいけません。
そこで、ドライバー業界の離職率が高い理由や、早期退職を防ぐための対策について紹介します。
運送業は4割近くが3年以内に辞めている?
厚生労働省が発表した「学歴別の就職後3年以内離職率の推移」によると、全産業における平均離職率は、2014年の時点で高卒者が40.8%、大卒者が32.2%にも及びます。
さらに、業種別に見ると、輸送業および郵便業の離職率は高卒者が35.6%、大卒者26.8%でした。
他の産業に比べると離職率は低いものの、4割近い人材が入社から3年以内に辞職していることは事実です。
離職した理由を詳しく見ると、25~29歳の男性では「収入が少なかった」という理由が最も多く、19.3%を占めています。
次いで多かったのが「労働時間や休日などの条件が悪かった」という理由で、16.5%でした。
他業種と比較しても離職率はそれほど高くない
運送業の平均離職率が、全産業における平均離職率を下回っていることからもわかるように、運送業の離職率はそれほど高いとはいえません。
厚生労働省の調査結果からわかるのは、ドライバーではなく運送業界全体の離職率ですが、基本的に運送業者の人員は大部分が運転手で構成されています。
そのため、運輸業全体の離職率が、ドライバーの離職率とほぼ連動していると考えて差し支えないでしょう。
しかし、運送業よりも離職率の低い産業も存在します。
ドライバーが離職する理由として最も多い給与の問題については、会社によって給与や賞与の金額が異なるため、一概に「ドライバーは収入が低い」とは言い切れません。
一方で、労働時間や休日については、どの運送業者でもある程度共通している点があります。
運送業界では一部の大企業を除き、12時間拘束が基本となっている会社が多いです。
さらに、飲みすぎて仕事に支障をきたすことがないよう、前日から考えて行動しなければならないなど、プライベートにも影響を及ぼします。
人によっては、自由に過ごせる時間が少ないと感じることもあるでしょう。

離職率が低い運送会社とはどんな会社?
東洋経済新報社が2017年に発行した「就職四季報」によると、年収が高い運送業者ほど離職率が低く、従業員数も多いことがわかります。
運輸・倉庫部門で最も年収が高かったのは、神奈川県横浜市の株式会社宇徳です。
ドライバーの年収は780万円、従業員数は1209人でした。
大卒者の初任給は約21万円です。
次に年収が多かったのは東京都南区の安田倉庫で、年収は724万円、従業員数は992人でした。
大卒初任給は約20万円です。
3番目は東京都品川区の株式会社ユニエツクスでした。
こちらは日本郵船の連結子会社で、コンテナ・ターミナル業務を中心に行っています。
年収は692万円、従業員は265人です。
こちらの会社も大卒初任給は約20万円でした。
4番目は東京都千代田区の三菱ロジティクスで、年収は680万円です。
いずれの会社も3年以内の離職率は0%で、給与が高いほど人材が確保しやすいことを証明しています。
給与だけじゃない!早期退職を防ぐために必要なこと
離職率を改善するには、給与を上げるだけでは不十分です。
特に、若い世代では給与の金額や福利厚生よりも、キャリアアップを重視する傾向が見られます。
まずは従業員の意見を積極的に取り入れ、従業員満足度を高めるような制度や設備を整えていくことが重要です。
また、採用時に徹底した業務説明を行い、採用者の不安を払拭するよう努めましょう。
関連記事:「運送業でドライバーの従業員満足度を向上させる方法」
離職率は会社の努力次第で改善できる
ドライバーの高齢化に備えて離職率を改善し、若い世代の育成に努めることは、中小企業にとって重要な取り組みです。
しかし、給与面が安定していたとしても、キャリアアップが見込めない会社では、離職率を低く抑えるのは難しいでしょう。
早期退職を防ぐためにも、給与や労働条件だけではなく、新人教育やキャリア育成のシステムなど、従業員満足度を高めるためのシステムについて見直してみましょう。
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