トラックには油圧ブレーキやエアブレーキ、駐車ブレーキなどさまざまなブレーキが設置されています。いずれもトラックを安全に運転するには欠かせない装置ですが、定期的に点検をしないと、いざというときに作動しなくなってしまう可能性もあるのです。
そこで、日常的にできる点検の方法を、ブレーキの種類ごとに紹介します。
ブレーキ・ペダルの日常点検は忘れずに!
ブレーキ・ペダルは運転する際に必ず踏むものなので、違和感があれば即座に気付く運転手も多いでしょう。
特に異常が見当たらなくても、日頃からペダルを確認する習慣を身につけておくと安心です。
事業用トラックの日常点検項目は、運輸省令第70号の自動車点検基準に記されています。
まず、ペダルをいっぱいに踏み込んだ状態で、床板とペダルの隙間や踏みごたえを確認します。
ペダルの遊びが4~7mmほどあれば、踏みしろは十分です。
床板とペダルの間にどれくらいの隙間があれば良いのかは、車種により異なります。
前輪ドラムブレーキの標準キャブ車なら50mm以上、ハイキャブ車かワイドキャブ車なら55mm以上が妥当です。
前輪ディスクブレーキ車には、HAB非装着車とHAB装着車があります。
HAB非装着車で標準キャブ車なら40mm以上、ハイキャブ車やワイドキャブ車は45mm以上の隙間があれば良いでしょう。
HAB装着車なら35mm以上あれば安心です。
動作確認は乾燥した道路の上で行います。
ゆっくりと走りながらペダルを踏み、効きが十分か、片効きしていないかを確かめましょう。
ブレーキオイルの液量も定期的に点検しよう
日常的な点検は、ペダルだけではなくオイルにも必要です。
メーターパネルの右側にあるカバーを取り外せばリザーブタンクが見えるので、液量が適切か確認しましょう。
タンク内には上限を示すMAX線と、下限を示すADD線があるので、その線の間に液面があれば最適です。
液面が見えにくいときは、車体を少し揺すると確認しやすくなります。
オイルが不足している場合は、MAX線まで補給しましょう。
また、オイルの中に不純物がないか確認するのも忘れてはいけません。
万が一、不純物が混じっていたら、オイルを交換する必要があります。
車種によってはオイルが不足するとウォーニングランプが点くものもあるので、点灯したら早めにメンテナンスを行いましょう。

大型車両はエアブレーキの点検も必要
大型バスや大型トラックにはエアブレーキという圧縮空気で車両を制動する装置があります。
エアの制動力は非常に強力ですが、何度も踏むと圧縮空気を使い切ってしまい、制動力が失われるのです。
圧縮空気が無くなると警告音が鳴るので、走行中に警告音が鳴った場合は、車両を路肩に停めて空気が溜まるまで待ちましょう。
また、エアも油圧と同じく、定期的な点検が欠かせません。
エアの点検をする際は、まずはエアタンク内の空気を全て排出してから、エンジンをアイドリングさせます。
その後、エアープレッシャーウォーニングランプが点灯するまでの時間を確認します。
3~4分ほどで点灯すれば正常です。
いざという時のために駐車ブレーキも点検を
駐車ブレーキは走行する際には使用しませんが、車両に異常が発生したときや、坂道で車を停めるときなどに必要です。
緊急時に使えないということがないよう、定期的にチェックしましょう。
まずはレバーを引いたときに異音がしないか、引きしろが多すぎたり少なすぎたりしないかを確認します。
ホイールパーク式の大型トラックは、レバーを引いたときに空気の排出音が聞こえるかも同時にチェックしましょう。
安全のために注意深い点検を
ブレーキは車の中で最も重要なパーツの1つです。
ブレーキの故障が死に直結する場合もあります。
状況によっては、運転する車や荷物がダメージを受けるだけではなく、周囲を巻き込む大規模な事故に発展する可能性もあるのです。
安全に運転するためにも、わずかな異常や違和感も見落とさないよう、注意深く確認を行いましょう。
▼他の記事をチェックしたい方はこちら!
エキゾーストブレーキとは?トラックの排気ブレーキの仕組みについて
事故予防のため義務化されているトラックの自動ブレーキの現状とは?
トラックのブレーキはどういうもの?仕組みや種類を詳しく解説!
