大きなドラムを回転させながら道路を走るミキサー車は、その独特な形で子どもから大人まで目を奪われてしまう車です。
ミキサー車にあまり馴染みがないかもしれませんが、建築資材として欠かせないコンクリートを運ぶという重要な役割がある車で、私たちの暮らしに大きく関わっています。
この記事では、ミキサー車の構造や仕組み、詳しい仕事内容、必要な免許などについて解説します。
ミキサー車とはどのような車なのかを知っておこう!
現代の工事現場で多用されているコンクリートは、運搬するための高い技術が必要な建築材料です。
ミキサー車が運搬する「生コンクリート」は、セメントに砂や砂利、水を加えたもので、固まった状態で運ぶものではありません。
戦後の高度成長期にはダンプカーで運ぶこともありましたが、その後はセメントが固まらないようにミキシングするドラムを付けた現代のようなミキサー車が開発されました。
ドラムをゆっくりと回転させながら運転して目的地まで運ぶことで、現場に着くまで生コンクリートが固まらずに届くのです。
生コンクリートのニーズの高まりとともに、ミキサー車には改良が加えられ進化してきました。
時間の経過とともに固まっていくという特殊な資材なので、運搬に関しても綿密なスケジュール管理がなされています。
工事現場までの道路の混雑状態なども調べて、できるだけ短時間で到着・誘導できるように配慮されているのです。
一般的には、できるだけ90分以内で生コンクリートを運搬するよう計画されています。
ミキサー車の構造や仕組みはどうなっているの?
生コンクリートをドラムでミキシングしながら運ぶミキサー車は、特殊な構造をしているため「特種用途自動車(8ナンバー)」に分類されています。
ミキサー車のドラムは、後ろから見たときには反時計回りに回転し、生コンクリートを攪拌しながら走っています。
ドラム内に付けられた「ミキシングプレート」という板が材料を混ぜるので、分離や固まるような事態になりません。
工事現場で生コンクリートを排出する際には、ドラムを逆に回転させます。
生コンクリートを入れる投入口である「ホッパ」には、ミキサー車が走っているときなどに異物が混入しないように専用のカバーが取り付けられています。
流し込む樋(とい)は「シュート」といい、上下左右に動きます。
ほかに「水タンク」があり、生コンクリートを工事現場で流し込んだあとにドラム内部を洗浄するために使われるものです。
特殊な車であるミキサー車には、通行が規制されている道路もあるのが特徴です。
ミキサー車を運転するための「旋回軌跡図」には、旋回する際に必要な車両寸法が記載されています。
さまざまな大きさのあるミキサー車は、車両寸法によって旋回に必要な道路幅が異なります。
そのため、車両が旋回するときの動き方を表した「旋回軌跡図」により、主に直角に曲がるときに必要な道路幅を知っておかなければなりません。
旋回軌跡図は、車両の長さや幅、最小回転半径などをもとに作図するもので、トラクター部の軌跡とトレーラー部の軌跡が、それぞれ正確に描かれています。
ただし、あくまでも回転できる最小限の数値を算出しているので、実際には余裕をもって運転することが大切です。
ミキサー車を運転するために必要な免許を確認しよう!
特殊な車両であるミキサー車を運転するためには、特別な資格は必要ありません。
ミキサー車の車両区分に合った運転免許があれば運転は可能です。
運転免許には、普通、準中型、中型、大型の4つの運転免許区分に、5トン・8トン限定の2つを加えた6つの免許区分があります。
ミキサー車には、最大積載量3トンといった小型のものから、10トン以上の大型車もありますが、保有する運転免許によって最大積載量が異なる点には注意が必要です。
なお、タンクの操作などに関する資格はありません。
操作方法をしっかり確認すれば、仕事に就くことができます。
ミキサー車はどこで活躍するの?仕事内容を紹介!
コンクリートの使用量が少ない場合には、現場で砂やセメントなどの材料を混ぜ合わせることもあります。
しかし、住宅などの建設現場の多くは、コンクリート工場で作られた生コンクリートをミキサー車で運ぶ形式を取っています。
ビルや工場といった大型施設の建設でもミキサー車が活躍しているのです。
ただし、ダム建設のように大掛かりな構造の建設の場合は、現場にコンクリート工場を作ることになります。
ミキサー車の仕事内容の特徴は、一般的なトラックのように荷物の積み下ろしがないので体力をあまり使わなくて済むことです。
生コンクリートを排出するなどの取り扱いは、機械の操作で自動的にできるため力仕事ではありません。
その点、ミキサー車の仕事は女性も働きやすいと言えるでしょう。
時間が明確に決められているので、待ち時間など待機する時間も短く残業時間が少ない点も特徴です。
朝が早く夕方には仕事が終わることも多いので、自分の時間を確保したい人にもおすすめです。
また、ミキサー車が運搬する生コンクリートには時間制限があるので、スムーズに仕事を進めるために、工事現場などの仕事に関わる人々との連携を密に取る必要があります。
そのため、ミキサー車の仕事をするならコミュニケーションスキルも大切なポイントとして挙げられます。
ミキサー車の運転手になるために知っておきたい注意点
ミキサー車が運ぶ生コンクリートは、積載容量によって表されています。
しかし、道路交通法では「積載重量」での規制が行われている点に注意が必要です。
工事現場ごとに、必要に応じた比率で材料を混ぜ合わせるため、同じ工場から出荷された生コンクリートでも重量は異なるので確認することが必要です。
ミキサー車は、積み荷としては重いコンクリートを運搬するため、運転する前には積載時の総重量を確認しておかなければなりません。
ミキサー車のドラムを後方から見ると、運転しているときには反時計回りにミキシングし、コンクリートを排出するときには逆回転の「時計回り」になる点にも注意が必要です。
誤って走行中に時計回りにしてしまうと、道路に排出する危険があるので十分注意しましょう。
特別な資格は必要ないミキサー車ですが、このような特殊な作業もあります。
ミキサー車の運転手として働くうえで、しっかりと知識を身につけておかなければなりません。
ミキサー車の操作方法をチェックしよう!
ミキサー車は、レバーを操作することでドラムを回転させて材料を攪拌します。
一般的なミキサー車の場合には、レバーを前方に倒して攪拌し、中央に戻せば停止、手前に倒すと逆回転という動きが基本です。
また、レバーは段階的に操作でき、1段階でゆっくりと回転し、2段階で急速回転します。
レバーの操作は重要なので、運転中はレバーに物が当たるような事態は避けなければなりません。
リモコン操作できる車種も開発されているので、操作方法については担当する車種ごとに確認しましょう。
生コンクリートを排出する際は、ポンプ車にスムーズに流し込めるようにシュートを上下左右に動かす調節が必要です。
大型のミキサー車になるとシュートが重いため、自動で操作できるもタイプもあります。
排出作業のあとは「水ポンプ」でドラムやシュートなどに付いたコンクリートを洗い流します。
それでもドラムの内部にはコンクリートが残ってしまうことは避けられません。
そのため、半年に1回程度は「はつり」と呼ばれる作業で、貼りついているコンクリートをまとめて剥がすことが必要です。
需要の高いミキサー車を運転して工事に貢献しよう!
ミキサー車は、工事に欠かせないコンクリートを運搬する特殊な車両です。
特別な資格は必要なく、車の大きさに合った運転免許で運転できるので、ミキサー車を運転する仕事にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
記事で紹介したようなミキサー車の仕組みや仕事内容を知っていれば、不安を払しょくしてスムーズに仕事に就けるでしょう。
